メヒコ市ナルバルテ地区のアパルタミエント(アパート)で7月31日、フォトジャーナリスト、ルベーン・エスピノーサ(31)の他殺体が発見された。エスピノーサは首都出身だが、8年前からベラクルース市に住み、「プロセソ」誌になどに記事と写真を送っていた。専門は社会抗議運動だった。脅迫され、過去2カ月、メヒコ市に戻っていた。
問題は、エスピノーサのほかに、4人の女性の他殺体が同じアパルタミエントで同時に発見されたことだ。コロンビア人1人とメヒコ人3人で、エスピノーサを加えた5人は皆、頭部を撃たれていた。メヒコ市当局は、殺人事件と断定している。
エスピノーサと女性たちとの関係は明らかにされていない。犯人が猟奇的事件に見せかけた、との見方もある。
メヒコ市中心街では8月2日、遺族、ジャーナリスト、人権活動家らが事件に抗議し、解明を要求するデモを実施した。
ベラクルース州内では2000~2015年に17人の報道関係者が殺害されている。またメヒコでは2000~14年に87人ないし102人が殺されてきた。麻薬マフィアなどによる組織犯罪が全国的に拡がっているメヒコは、ラ米でも記者活動が危険な国となっている。