★☆★ベネズエラ、ボリビア、エクアドール、ニカラグアのALBA(アルバ=米州ボリバリアーナ同盟)加盟4カ国は6月5日、米州相互援助条約(TIAR=ティアル)を脱退すると表明した。
☆4カ国は、米州諸国機構(OEA=オエア、英語でOAS)の第42回総会(外相会議)が開かれていたボリビア・コチャバンバで脱退意思を明らかにした。
★脱退の理由は、東西冷戦が進行しつつあった1947年にリオデジャネイロで調印された条約が時代にそぐわなくなったこと。および、1982年の亜英マルビーナス(フォークランド)戦争時に、レーガン米政権が本来条約に基づき亜国を軍事支援すべきところを英国支持に回ったことで、条約が事実上死滅したこと。
☆エクアドールのリカルド・パティーニョ外相が代表して発表し、「TIARは正統性と有効性を失った」と指摘した。規定により、脱退は通告から2年後に発効する。
★今OEA総会では、OEA機関である「米州人権委員会(CIDH=シダーチェ)」が米政府の意向を反映し、米政府と立場の異なる諸国の人権状況に厳しい、という意見がALBA諸国から相次いで出ていた。TIARは有名無実の存在だが、脱退表明は、左翼ALBA勢と米国の対立が後戻りできないところまで達したことを象徴する。
☆ALBAに加盟するキューバは、米国によってOEAから追放されて以来復帰しておらず、TIARにも加わっていない。