▼▼▼グアテマラのメディアは5月31日、内戦中の人道犯罪の電子化記録200万点が保存されている「平和文書館」が閉鎖される、と報じた。被害者遺族団体や人権団体から激しい反対の声が上がっている。
▼元陸軍将軍オットー・ペレス=モリーナ大統領の政府は6月1日、閉鎖理由を、文書館の管理を担当していた17人を解雇するためと説明した。過剰人員削減の一環だという。
▼保管されていた記録は、国立新聞雑誌館、国家文民警察、中米総合公文書館、大統領府社会福祉局に分散され保管されることになるという。
▼ペレス=モリーナは、内戦中に人道犯罪に関与した嫌疑がかけられている。電子化記録は、リオス=モント元軍政独裁政権首班ら人道犯罪責任者の裁判でも、重要な証拠書類として使用されてきた。文書館は2008年、コロム前政権下で設置された。閉鎖を非難する人々は、軍部・警察の犯罪が暴かれ続けられるのを嫌悪する現大統領の右翼軍人体質が露わになった、と観ている。
▼現大統領は今年1月14日就任したが、早くも「反人権政策」が表面に出たわけで、民主派が懸念していたとおりになった。