クーバ共産党機関紙グランマは4月29日、訪米中の岸田外相との電郵(Eメイル)によるインタビューの内容を掲載した。外相は30日、ハバナ入りする。
質問は4項目で、最初の質問は、玖日関係の評価について。以下は外相の回答。
日玖関係は古く、1614年に支倉常長がクーバに行った。去年、その400周年記念行事を両国で催した。
両国間には立場の違いがあるが、率直に話し合ってきた。両国関係には拡大・深化させうる領域がある。日本の外相としての初の訪玖となる今回の訪問で、関係強化を図りたい。
両国の経済関係は1970年代にとても活発だったが、その後、玖経済の悪化により停滞した。だがクーバの累積債務状況の改善や、対米対話開始が有益な要因になってきた。
第2の質問は、日本でのクーバの評価について。
昨年7月、海上自衛隊練習艦隊が初めてクーバを訪れた。10月には、支倉400年祭関係で日本人200人が訪玖した。
日本人は野球、ヘミングウェイ、音楽、観光などでクーバに親しみを抱いている。
今年3月、リカルド・カブリーサス副首相(元駐日大使)が来日し、投資セミナーを開いた。今回の私の訪問には日本の財界人が同行する。通商と投資の対象国としてのクーバの認識が高まるだろう。
日本が政府開発援助(ODA)をクーバに適用してから昨年で60年となった。日本の協力は、クーバの経済改革に役立つものと期待する。
日本が信頼できる相手国として受け入れられるのを願いたい。
第3の質問は、国際社会での玖日関係の位置づけについて。
昨年末の玖米国交正常化合意を日本は支持する。また今月パナマで開かれた(第7回)米州首脳会議にクーバが初めて参加したのを多としたい。これらの出来事は日玖関係にも有益で、日本政府だけでなく、日本財界の対玖関心を高めている。
このような国際的枠組みの中で行われるところに私の訪玖の意味がある。
最後の質問は、岸田外相が昨年4月29日メヒコで打ち出した新しい対LAC(ラ米・カリブ)外交政策がクーバにどう適用されるかについて。
新政策を「LACへの新航路に向けて出港しつつ」と題した。相互補完・援助によるLACの繁栄、および平和的共生関係構築が二本柱だ。
第一点の援助については、日本はクーバの社会経済基盤改善のため保健、医療、農業開発、環境、気候変動などの面で協力したい。合同で玖経済発展を目指したい。
第二点については、昨年9月、日本とCELAC(ラ米・カリブ諸国共同体)の外相会議を開いた。当時の議長国クーバのブルーノ・ロドリゲス外相と私は、日本とCELACの関係強化で合意した。