2015年4月21日火曜日

キューバ市会選挙の投票率は88%

 社会主義クーバで4月19日実施された人民権力ムニシピオ(市)会議(市会)議員選挙の結果が20日公表された。

 有権者は16歳以上の800万人強で、投票率は88・36%(約770万人)だった。有効投票は90・52%、白票4・54%、無効票4・92%だった。

 選ばれる市会議員は1万2589人で、候補者は2万7379人だった。うち2人は反体制派で、反体制派初の出馬となった。

 弁護士でウェブジャーナリストのイルデブランド・チャビアーノ(65)と、非合法政党、独立・民主クーバ党(CID)のジュニエル・ロペス(26)。2人ともハバナの異なる選挙区から出馬、チャビアーノ138票、ロペス233票で、落選した。

 1万1425人が当選。1164選挙区では当選者が出なかったため、26日に決選が実施される。

 当選者の59%は共産党員、6・5%は共産主義青年同盟所属だった。今選挙では、各投票所で小学生のピオネロス(ピオニール)が投票箱の監視役を務めた。

 市会議員総数の半数は、人民権力地方会議(州会)議員となる。州会議員の半数は、人民権力全国会議(国会)議員候補となる。2013年初めの国会議員選挙の投票率は90%強だった。

 国会で、最高決定機関である国家評議会会員が選ばれ、同会員が国家元首である国家評議会議長を選ぶ。議長は閣僚評議会議長(首相)、革命軍最高司令官、共産党第1書記を兼任する。

 フィデル・カストロ前国家評議会議長(88)は今選挙で、ハバナ市の革命広場選挙区で投票した。

 一方、ブルーノ・ロドリゲス玖外相は20日、フランス、ベルギー、ルクセンブルク、オランダの欧州連合(EU)4か国歴訪を開始した。

 外相は22日にはブリュッセルで、第6回玖・EU高級政治対話に出席する。この会合では、6月10~11日にブリュッセルで開かれるEUとラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)の首脳会議も議題となる。

 20日は、ニューヨーク州知事アンドゥルー・クオモがハバナ入りした。州内の保健、農業加工、航空、技術、金融界の企業人集団を伴っている。

 米国の知識人ノーム・チョムスキーは19日、ロシアメディアとの会見で、(米玖国交正常化合意以後、米州での米国の孤立状態が際立ったが)、「米メディアはクーバが孤立していたかのような宣伝報道をしている」と、米メディアの意図的誤報を批判した。