2017年6月6日火曜日

 ベネズエラ制憲議会(ANC)議員選挙は7月30日実施へ。政権党PSUVは選対本部設置。反政府野党連合MUDはボイコット

 ベネスエラ国家選挙理事会(CNE)のティビサイ・ルセーナ議長は6月4日、制憲議会(ANC)議員選挙を7月30日実施する、と発表した。全国の都市を選挙区とする地域選挙区出馬登録希望者は約2万人で、今月6~10日に選挙区有権者の3%の署名を集めなければならない。

 職能別選挙区には3万5000人余が出馬を希望。11~14日に署名を集める。ANC議員は545人で、5万5000人強が出馬を登録しており、現時点では101倍の激戦。だが、反政府勢力の中核である保守・右翼野党連合MUDはANC開設に反対しており、立候補していない。

 この選挙に備え、政権党PSUV(ペスーブ=ベネスエラ統一社会党)は、カラカス首都圏および全国各州で選挙対策本部「サモーラ200司令部」を設置している。

 ニコラース・マドゥーロ大統領は日曜定例TV番組で、反政府勢力の別働隊および前衛となって暴動を演じている若者らについて、「カプタゴーン」を使用している、と指摘した。この興奮剤はシリアで多く生産され、ISが使用していると伝えられる。

 大統領はまた、政府と対立しているルイサ・オルテガ検事総長について、「市民としては政治思想を選ぶ自由があるが、職務上はイデオロギーや政治思想を超えて真実を見極め、正義を施さねばならない」と強調した。

 首都圏チャカオ区アルタミーラで5月20日、反政府勢力別働隊による私刑で殴打され刺されて焼かれた青年オルランド・フィゲロア(21)が3日死亡した。また5月31日、ネルソン・モンカーダ判事を殺害した犯人は5日、治安部隊に包囲され自殺した。

 スペインのJL・Rサパテーロ前首相は4日、軍のラモベルデ刑務所で服役中の極右政党VP(人民意志)党首レオポルド・ロペスと面会した。デルシー・ロドリゲス外相と、首都圏リベルタドール区長ホルヘ・ロドリゲス(外相の実兄)が同伴した。

 一方、米ユナイテッド航空は3日、ヒューストンーアルバ゙ーカラカス往復週5便の運航を7月1日に打ち切る、と発表した。採算が合わないためという。既にエアカナダ、アリタリア、ルフトハンザ、アエロメヒコなど7社がVEN便を止めている。

 VENと中国は3日、マカオで開かれた会合で、合弁によるベネスエラでの重機械組立工場建設、既存バス組立工場拡張で合意した。両国間には790の合弁事業があり、総投資は620億ドル。