ベネスエラ・スリア州マラカイボ湖畔のオヘーダ市で6月14日、ラジオジャーナリスト、ネルソン・バローソ(53)が他殺体で発見された。現場は自宅で、殴打された痕跡があった。バローソはFMアメリカ放送社主で、チャベス派国会議員レオニダス・ゴンサレスの広報官だった。当局は、反政府勢力による暗殺の可能性も含め捜査中。
首都カラカスでは同日、反政府派暴徒がオートバイで暴走中、うち2台が激突、2人が死亡した。内務省は、反政府勢力の中核である保守・右翼野党連合MUD所属のフレディ・ゲバラ国会副議長が暴徒の背後にいると告発した。首都リベルタドール区では13日、反政府派の若者23人が破壊活動現行犯で逮捕されている。
ニコラース・マドゥーロ大統領は14日、暴動で若者が死んでいるが、金を払って若者を暴徒に仕立て暴動に駆りたてているのはミランダ州知事エンリケ・カプリーレスと、国会議員ミゲル・ピサーロであり、いずれ収監され代価を払うことになろう、と警告した。カプリーレスはMUD内の極右政党PJ(まず正義を)党首で、ピサーロは同党幹部党員。
一方、グアテマラ外相カルロス・モラレスは14日、ベネスエラ問題を話し合う米州諸国機構(OEA)特別外相会議を19日、墨保養地カンクンで開催すると発表した。モラレスはOEA会合の輪番制議長。OEAは同地で20~21日、年次定例外相会議を開く。OEAは5月31日、ワシントンでベネスエラ問題を話し合う特別外相会議を開いたが、合意できず、19日に再度話し合うことになった。
ペルー外務省は、PPクチンスキ大統領がデルシー・ロドリゲスVEN外相により前日、こっぴどく糾弾されたのに反駁、「ベネスエラでの民主復活を断固推進する」と表明、内政干渉政策続行を明らかにした。
ローマ法王庁は14日、ラ米5カ国6人の保守・右翼系大統領経験者に書簡を送り、「ベネスエラ危機解決は、真剣な交渉と選挙によって可能」との立場を伝えた。
米南方軍は13日、ベネスエラのすぐ沖にあるトゥリニダード&トバゴ(TT)海域で合同軍事演習「貿易風2017」を開始した。17日まで。18~20日は、南方軍司令部のあるマイアミで、演習参加諸国の指導者セミナーを開く。
ベネスエラの眼と鼻の先のTT領海での演習は、明らかなベネスエラ牽制策であり、南方軍はその意図をあからさまにしている。米国務省は、ベネスエラ政府高官への新たな「制裁」を準備中と14日表明した。南方軍と歩調を合わせた明白な内政干渉だ。
ベネスエラ最高裁は14日、政府と対立しているルイサ・オルテガ検事総長が異議を申し立てた最高裁判事33人の過去の任命に関し、異議を却下した。