ベネスエラの反政府勢力の中核である保守・右翼野党連合MUDは7月16日、独自に「国民投票」を実施、有権者の3分の1に当たる718万人が投票した、と発表した。設問は①マドゥーロ政権が推進する制憲議会(ANC)開設に反対②国軍の憲政護持任務③早期大統領選挙実施-の3点で、いずれも98%が賛成したとしている。
マドゥーロ政権は、国家選挙理事会(CNE)が公認しない投票であり無効として、結果を無視している。政権側はこの日、7月30日実施のANC議員選挙の準備の一環として模擬投票を実施、CNEノティビサイ・ルセーナ理事長は「成功した」と述べた。
MUDは投票の監視役としてラ米4ヵ国から大統領経験者計5人を招いたが、その一人であるビセンテ・フォックス元墨大統領が「ベネスエラ人の善意を逆手にとって内政干渉した」として、サムエル・モンカーダVEN外相は16日、フォックスに「ペルソナ・ノン・グラタ」(歓迎されざる人物)を宣告した。フォックスは既に出国済み。
一方、著名なジャーナリスト、ホセ=ビセンテ・ランヘールは16日、民放テレベンの定例番組で、最新の世論調査結果を発表。回答者の75%は、マドゥーロ政権が維持している社会主義経済モデルに賛成し、反対は24%と伝えた。
政府の経済政策には61%が賛成、31%が反対した。政府による民間部門規制には78%が賛成、20%が反対した。資本主義モデル復活に賛成するのは32%だった。政府の民間投資と外資の導入には86%が賛成している。
社会福祉など重要部門の民営化には74%が反対。国営通信会社CANTVの民営化には69%が反対。国営石油PDVSAの民営化には74%が反対した。MUDは経済問題を解決できるかとの設問には、63%が不可能とし、34%が可能と答えた。