2017年7月19日水曜日

 マドゥーロ・ベネズエラ大統領が「トランプの脅迫」を一蹴。対米関係見直しへ▼サンパウロ・フォーラムは「ベネズエラ防衛」を宣言

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は7月18日、「米帝国による脅迫に統合的に対処するため」として、国防会議を招集した。ドナルド・トランプ米大統領は17日、「ベネスエラが制憲議会(ANC)開設を止めなければ強力な経済的措置を速やかに発動する」と強圧的な内政干渉政策を打ち出している。

 マドゥーロ大統領は、「ここベネスエラではベネスエラ人民だけが命じることができる」とし、「ANC開設は既に人民に委ねられており、その主権者人民が30日に投票権を行使するだけだ」と、トランプの脅迫を一蹴した。

 VEN外務省は18日声明を発表、マドゥーロ大統領の指示を受けて、対米関係の根本的見直しを図る、と明らかにした。声明はまた、「米大統領声明は前例のないほど低水準で質が悪く、侵略国の意図を知的に解釈するのを妨げている」とホワイトハウスを揶揄した。

 声明はさらに、「米政府は他国を辱めれば従属すると信じてきた」と指摘。「米国は恥知らずにも、ベネスエラの人民・民主政権を倒すためテロリズムを厭わないVEN政界暴力過激派と連携している」と糾弾した。

 英紙フィナンシャルタイムズは18日、コロンビアのJMサントス大統領が17日ハバナでの首脳会談でラウール・カストロ玖議長に、ベネスエラ問題で仲介を要請した、と報じた。同席したコロンビアのマリーア・オルギン外相は、ベネスエラ問題が話し合われたことを認めている。

 サントスは会談後、ANC開設を止めるようマドゥーロ大統領に求めるメンサヘを発進した。これに関しマドゥーロは18日、「コロンビアの寡頭勢力が解放者ボリーバルの祖国を支配することなど決してありえない」と跳ね付けた。

 ANC候補デルシー・ロドリゲス前外相は18日、「VEN人民は30日、完全なVEN独立のため投票する。ANCは、対話を通じての民主、参加、平和的理解のための空間だ」と力説。「私は命を懸けで祖国を防衛する」と述べた。

 ベネスエラ国営石油PDVSAは18日、6月の同国原油生産は日量215万バレルだったと発表した。対米原油輸出は4月に日量85万7000バレルに達したように好調。「トランプの脅し」には、VEN原油輸入打ち切りが含まれている可能性がある。

▼ラ米短信   ◎ラ米左翼・進歩主義陣営が「ベネスエラ防衛」を宣言

 ニカラグアのマナグアで開催中のフォロ・デ・サンパウロ(サンパウロ・フォーラム)は18日、「ボリバリアーナ革命防衛のため非常事態を宣言する」と決議した。同日の会議には、エル・サルバドール(ES)のサルバドール・サンチェス=セレーン大統領も出席した。

 革命家、故エルネスト・チェ・ゲバラの娘アレイダ・ゲバラ=マルチ医師も出席。ゲバラ歿後半世紀を記念する部会で講演した。

 ボリビアのエボ・モラレス大統領は18日、会議出席のためコチャバンバからマナグアに向かった。サンチェスES大統領とともに19日のサンディニスタ・ニカラグア革命38周年記念日の行事に出席する。