ボリビア・コチャバンバ州サンベニートで4月25日、列国議会同盟の第12回議会議長会議が26日までの日程で開会した。加盟178カ国議会のうち43カ国が参加、「あなたの声が聞き入れられるために働こう」を標語に、「政治における暴力」について話し合う。
同国のエボ・モラレス大統領は開会演説で、今会議が新築されたばかりの南米諸国連合(ウナスール、12カ国加盟)議会の議事堂で最初に開かれた国際会議であることを強調。同連合加盟諸国に向けて、「南米域内にはイデオロギーや政治の違いがあるが、違いを尊重しつつ団結し、南米市民から世界市民になろうではないか」と呼び掛けた。
それというのも、加盟国の半数に当たる亜パラグアイ伯智コロンビア秘の6カ国が、イデオロギー的相違に基づく対立からウナスール行事ボイコットを表明したからだ。このような状態が長引けば、せっかく完成した議事堂も意味が薄れてしまう。
ボリビア国会のガブリエーラ・モンターニョ議長によると、約50各国の議会の議長は女性。ボリビアでは国会議員は男女半々であり、同議長は「この点でボリビアは先進的だ」と自賛した。
参加43カ国のうち議長が出席しているのは、ウルグアイ、コスタ・リカ、ロシア、フィジーや、アンゴラ、ジンバブウェ、赤道ギニア、ニジェール、レソト、ボツワナ、ウガンダなどアフリカ諸国などだという。
南米のボイコット6カ国議会は欠席。ウナスールの「分裂」は、地域を超えた国際会議にも影響を及ぼしている。
▼コロンビア和平に陰り
コロンビア和平(2016年11月)でゲリラ組織「コロンビア革命軍」(FARC)は政党「人民革命代替勢力」(FARC)になった。同党は3月11日の国会議員選挙に初めて参加したが、全体で5万票程度しか獲得できず、選挙民の信頼が薄いことが印象付けられた。
だが和平合意により選挙結果とは別にFARCは、上下両院で5議席ずつ与えられることになっている。新議会は7月20日開会するが、FARCは5人ずつ計10人の議員名簿を選管に提出していた。
ところが政府当局は、FARC下院議員名簿筆頭のヘスース・サントゥリッチ元司令を4月9日ボゴタで逮捕、米国に身柄を送ろうとしている。麻薬取引容疑で元司令を手配していた米政府の要請に従った措置。元司令は拘置所で断食、半月たち衰弱しているという。
和平交渉のFARC代表だった大幹部で上院議員名簿筆頭のイバン・マルケス政治顧問は24日、上院議席に着かないと表明した。理由は、政府側が和平合意より米国を優先、元司令を逮捕、身柄を引渡そうとしていること。
サントゥリッチ逮捕とマルケス拒否で、残る8人のFARC議員内定者に動揺が広がるのは避けられない。
和平合意で16年にノーベル平和賞を受賞したJMサントス・コロンビア大統領は、中立的、仲介者的立場を捨て、米国やラ米保守・右翼勢力寄りに傾斜している。大きな問題は、ここにある。
2018年4月26日木曜日
2018年4月25日水曜日
ボリビアがリチウム生産の合弁相手をドイツ企業と決定▼ウユニ塩湖に鉱脈眠る▼リチウム電池は電気自動車などに使用
ボリビア政府は4月24日、同国のリティオ(リチウム)をドイツ企業と合弁で開発する、と発表した。独ACIシステム社で、主目的はリチウム電池の生産。
ボリビア大高原(アルティプラ―ノ)南部にある広大なウユニ塩湖にはリチウムが眠る。この一帯と亜智両国北部を合わせて「リチウム三角形」と呼ばれている。ボリビアの埋蔵量は世界全体の4分の1とされる。
国営ボリビア・リチウム鉱床(YLB、フアン=カルロス・モンテネグロ社長)は先週末、エボ・モラレス大統領と話し合い、独社の落札を決定した。
初期投資13億2800万ドルで、出資率はボリビア51%、独社49%。水酸基、陰極、電池、マグネシウム水酸基をそれぞれ生産する4つの工場を3年内に建設する。
独社はリチウム電池などの生産と商業化を担当。ボリビア国庫には年間11憶ドルの収益が入ることになるという。リチウム電池は電気自動車、パソコン、携帯電話などに使われる戦略的希少金属。
入札には、中国5社、露独加各1社の計8社が参加。最後には露ウラニウム・ワングループ社と独社が残り、独社が選ばれた。
ボリビア大高原(アルティプラ―ノ)南部にある広大なウユニ塩湖にはリチウムが眠る。この一帯と亜智両国北部を合わせて「リチウム三角形」と呼ばれている。ボリビアの埋蔵量は世界全体の4分の1とされる。
国営ボリビア・リチウム鉱床(YLB、フアン=カルロス・モンテネグロ社長)は先週末、エボ・モラレス大統領と話し合い、独社の落札を決定した。
初期投資13億2800万ドルで、出資率はボリビア51%、独社49%。水酸基、陰極、電池、マグネシウム水酸基をそれぞれ生産する4つの工場を3年内に建設する。
独社はリチウム電池などの生産と商業化を担当。ボリビア国庫には年間11憶ドルの収益が入ることになるという。リチウム電池は電気自動車、パソコン、携帯電話などに使われる戦略的希少金属。
入札には、中国5社、露独加各1社の計8社が参加。最後には露ウラニウム・ワングループ社と独社が残り、独社が選ばれた。
2018年4月5日木曜日
米民事法廷が元ボリビア大統領の「法律外処刑」責任を認める
ボリビアでは2003年9~10月、当時のゴンサロ・サンチェス=デ・ロサーダ大統領の親米保守政権が下していた天然ガスをチリ北部の港経由で米国に安価で輸出する決定に対し、左翼野党、労働者、先住民族などが反発、激しい抗議行動が続いた。
その行動は政治首都ラパスおよび、その上方の大高原(標高4000m)に広がるエル・アルト市を中心に展開された。サンチェス政権は軍隊を出動させ、実力で鎮圧しようと試みた。
それが頂点に達した03年10月17日、軍の発砲などで死傷者多数が出た。サンチェス大統領は同日、政権を放棄し米国に亡命、マイアミに居を定めた。ボリビア検察によると、サンチェスは国庫から2200万ドルを持ち逃げした。
腹心のカルロス・サンチェス=ベルサイーン国防相も亡命、マイアミに住んでいる。
一連の反政府行動と鎮圧で、68人が死亡(公式発表で55人)、約400人が負傷した。重傷者の一部は脚を切断するなどで障害者になった。
米国へのガス輸出取り決めは破棄された。後のモラレス現政権が石油・天然ガスを国有化した。
死者のうちの8人の遺族は賠償を求めて米フロリダ州でサンチェス元大統領(87)とサンチェス元国防相(58)を相手取り民事法廷に提訴した。
=以上は前置き=
フロリダ州フォート・ローダーデイルの民事法廷は3月5日審理を開始。陪審員団は4月2日、元大統領ら両人が「法律外処刑」で有罪と判断、法廷は8人の遺族に計1000万ドルの賠償金支払いを命じた。両人は控訴する見込み。
外国の大統領経験者が米国で、民事とはいえ人道裁判で有罪判決を受けたのは初めてとされる。
モラレス現ボリビア政権のアルフレド・ラダ大統領府相は4月3日、判決を評価し、「この問題は両サンチェスのボリビアへの身柄引き渡しまでは終わらない」と表明した。
話は遡るが、サンチェス大統領が逃亡した2003年10月、副大統領だったカルロス・メサが暫定大統領となり、05年末の大統領選挙で左翼・社会主義運動(MAS)候補で、コカ葉栽培農民組合連合を率いるアイマラ民族のエボ・モラレスが当選した。
06年初め就任したモラレス(58)は新憲法制定を挟んで3選を重ね、今日まで12年余り政権を維持してきた。
現行憲法は大統領連続再選を2選までしか認めていない。このためモラレスは再選回数を無制限にする憲法改正を求めて16年2月国民投票を実施したが、僅差で敗北した。
だがモラレスは19年の次期大統領選挙への出馬を諦めず、最高裁を動かして17年12月、「無制限再選可能」との判断を強引に勝ち取った。
しかしながら長期政権は飽きられ、支持率50~60%を常時維持していたモラレスは現在、支持率が25%程度に低迷している。
このため、1879年にチリに仕掛けられた太平洋戦争で失った太平洋岸領土(現チリ・アントファガスタ州)の奪回(「海への出口」闘争)を選挙運動の中心に据え、ナショナリズムを煽り支持率を上げようとしている。
その行動は政治首都ラパスおよび、その上方の大高原(標高4000m)に広がるエル・アルト市を中心に展開された。サンチェス政権は軍隊を出動させ、実力で鎮圧しようと試みた。
それが頂点に達した03年10月17日、軍の発砲などで死傷者多数が出た。サンチェス大統領は同日、政権を放棄し米国に亡命、マイアミに居を定めた。ボリビア検察によると、サンチェスは国庫から2200万ドルを持ち逃げした。
腹心のカルロス・サンチェス=ベルサイーン国防相も亡命、マイアミに住んでいる。
一連の反政府行動と鎮圧で、68人が死亡(公式発表で55人)、約400人が負傷した。重傷者の一部は脚を切断するなどで障害者になった。
米国へのガス輸出取り決めは破棄された。後のモラレス現政権が石油・天然ガスを国有化した。
死者のうちの8人の遺族は賠償を求めて米フロリダ州でサンチェス元大統領(87)とサンチェス元国防相(58)を相手取り民事法廷に提訴した。
=以上は前置き=
フロリダ州フォート・ローダーデイルの民事法廷は3月5日審理を開始。陪審員団は4月2日、元大統領ら両人が「法律外処刑」で有罪と判断、法廷は8人の遺族に計1000万ドルの賠償金支払いを命じた。両人は控訴する見込み。
外国の大統領経験者が米国で、民事とはいえ人道裁判で有罪判決を受けたのは初めてとされる。
モラレス現ボリビア政権のアルフレド・ラダ大統領府相は4月3日、判決を評価し、「この問題は両サンチェスのボリビアへの身柄引き渡しまでは終わらない」と表明した。
話は遡るが、サンチェス大統領が逃亡した2003年10月、副大統領だったカルロス・メサが暫定大統領となり、05年末の大統領選挙で左翼・社会主義運動(MAS)候補で、コカ葉栽培農民組合連合を率いるアイマラ民族のエボ・モラレスが当選した。
06年初め就任したモラレス(58)は新憲法制定を挟んで3選を重ね、今日まで12年余り政権を維持してきた。
現行憲法は大統領連続再選を2選までしか認めていない。このためモラレスは再選回数を無制限にする憲法改正を求めて16年2月国民投票を実施したが、僅差で敗北した。
だがモラレスは19年の次期大統領選挙への出馬を諦めず、最高裁を動かして17年12月、「無制限再選可能」との判断を強引に勝ち取った。
しかしながら長期政権は飽きられ、支持率50~60%を常時維持していたモラレスは現在、支持率が25%程度に低迷している。
このため、1879年にチリに仕掛けられた太平洋戦争で失った太平洋岸領土(現チリ・アントファガスタ州)の奪回(「海への出口」闘争)を選挙運動の中心に据え、ナショナリズムを煽り支持率を上げようとしている。
2017年3月21日火曜日
チリに奪われた太平洋岸領土の回復が悲願のボリビアが国際司法裁判所に新たな意見書を提出。チリは半年後に立場表明へ。両国間にいざこざ続発
ボリビア政府は3月21日、ハーグの国連・国際司法裁判所(ICJ)に、太平洋岸領土回復に関する主張を盛り込んだ意見書を提出した。この書類提出時、ボリビアの外相、司法相、国会下院議長が立ち合った。
ボリビアは1879年、チレに仕掛けられた「太平洋戦争」で、現在チレ領となっている広大なアントファガスタ地方をチレに奪われた。双方は1904年の条約で領土問題に決着をつけたが、ボリビアは「条約で全問題が解決したわけではなく、未解決の案件が残っている」と主張、「海岸領土回復」を国家的悲願として訴えてきた。これに対しチレは、全問題が解決したとの立場をとってきた。
先住民族アイマラ出身で民族主義の強いエボ・モラレス大統領は2013年4月24日、領土問題交渉に応じるようチレに促す裁定をICJに求めた。チレは14年7月15日、ICJには同領土問題を裁定する権限はないとの意見書を提出した。
双方の主張を受けたICJは15年9月24日、ICJにはその権限があると判断。両国政府に新たな意見書を提出するよう求めた。ボリビアは提出期限の21日、これを済ませた。チレは9月21日までに立場を表明せねばならない。
モラレス大統領は20~21日、政治首都ラパスの大統領政庁前で盛大な行事を主宰、ハーグでの意見書提出を内外に印象付けた。大統領はICJでの「領土回復活動」を全世界に知らしめるため、ボリビアの在外公館・代表部の全てにボリビア国旗を掲げるようしじしている。
これを受けて、アントファガスタ州都アントファガスタ市にある「ボリビア領事部」は先週、国旗を掲げた。ところがチレのカラビネロス(治安警備隊)に国旗を外されてしまた。チレ政府は、同領事部は正式な外交登録がなされておらず、国旗を掲げる資格がないと
説明、ボリビア政府に抗議した。
さらに19日、ボリビア国境警備隊兵士2人と税職員7人が智タラパカ州の国境地帯で身柄をカラビネロスに拘禁される事件が起きた。智当局は、ボリビア人9人は智領内にあったトラックを盗みに侵入したため拘禁したと主張。
一方、ボリビア政府は、9人は密輸物資を載せたトラック3台を追跡していたところ、ボリビア領内に入ってきた智カラビネロスに拘禁され、拉致された、と主張している。
これに対しバチェレー智政権は、ICJでのボリビアの外交的振る舞いを目立たせるため「チレとの紛争」をでっちあげて利用するな、とやり返した。
両国は、双方が共に軍政だった時期に領土問題交渉がこじれて断交、以来、大使はおらず、総領事級外交に留まっている。
ボリビアは1879年、チレに仕掛けられた「太平洋戦争」で、現在チレ領となっている広大なアントファガスタ地方をチレに奪われた。双方は1904年の条約で領土問題に決着をつけたが、ボリビアは「条約で全問題が解決したわけではなく、未解決の案件が残っている」と主張、「海岸領土回復」を国家的悲願として訴えてきた。これに対しチレは、全問題が解決したとの立場をとってきた。
先住民族アイマラ出身で民族主義の強いエボ・モラレス大統領は2013年4月24日、領土問題交渉に応じるようチレに促す裁定をICJに求めた。チレは14年7月15日、ICJには同領土問題を裁定する権限はないとの意見書を提出した。
双方の主張を受けたICJは15年9月24日、ICJにはその権限があると判断。両国政府に新たな意見書を提出するよう求めた。ボリビアは提出期限の21日、これを済ませた。チレは9月21日までに立場を表明せねばならない。
モラレス大統領は20~21日、政治首都ラパスの大統領政庁前で盛大な行事を主宰、ハーグでの意見書提出を内外に印象付けた。大統領はICJでの「領土回復活動」を全世界に知らしめるため、ボリビアの在外公館・代表部の全てにボリビア国旗を掲げるようしじしている。
これを受けて、アントファガスタ州都アントファガスタ市にある「ボリビア領事部」は先週、国旗を掲げた。ところがチレのカラビネロス(治安警備隊)に国旗を外されてしまた。チレ政府は、同領事部は正式な外交登録がなされておらず、国旗を掲げる資格がないと
説明、ボリビア政府に抗議した。
さらに19日、ボリビア国境警備隊兵士2人と税職員7人が智タラパカ州の国境地帯で身柄をカラビネロスに拘禁される事件が起きた。智当局は、ボリビア人9人は智領内にあったトラックを盗みに侵入したため拘禁したと主張。
一方、ボリビア政府は、9人は密輸物資を載せたトラック3台を追跡していたところ、ボリビア領内に入ってきた智カラビネロスに拘禁され、拉致された、と主張している。
これに対しバチェレー智政権は、ICJでのボリビアの外交的振る舞いを目立たせるため「チレとの紛争」をでっちあげて利用するな、とやり返した。
両国は、双方が共に軍政だった時期に領土問題交渉がこじれて断交、以来、大使はおらず、総領事級外交に留まっている。
2017年1月23日月曜日
ボリビア大統領が施政11年、国会で成果を報告
ボリビアのエボ・モラレス大統領は1月22日、政権担当11周年を迎えた。アイマラ人であるモラレスは、自ら制定した新憲法でボリビアを「多民族国家」と規定、国名にも「多民族」を入れた。この日は「ボリビア多民族国家の日」と定められている。
モラレスは国会で施政報告演説を4時間20分に亘って展開、政権11年の「長期政権の安定性」を強調した。大統領は、ボリビアが独立した1825年から2005年までの180年間に大統領83人がいて、うち37人はゴルペ(クーデター)で政権に就いたとし、「大統領の平均任期は2年間だった。まともな政策立案や施政は可能だろうか」と指摘、自身の長期政権を肯定した。
大統領は、2025年までに「ボリビアを南米のエネルギーの中心国とする」と述べ、「天然ガスだけでなく電力も輸出する」と語った。この表明は、2020~25年の次期大統領の任期を念頭に置いている。
エボは、国会議員166人のうち5割強が女性、全体の41人が先住民族代表、29人が若者代表と指摘、「多民族性」が国会にも代表されていることを強調した。
施政の成果として、貧困率、極貧率、貧富格差が大幅に減少。国民の健康や非識字率も向上、経済成長率は平均5%で、モラレス政権登場前50年間の平均2・8%の倍近いことを訴えた。
また、クーバ医療派遣団700人の貢献、クーバの協力による「奇蹟作戦」で67万人余りが視力を回復したことに謝意を表した。
大統領が「長期政権の安定性」を強調したのは、2019年の大統領選挙に4選出馬し、25年まで任期を延長させたい意欲の表れだ。昨年2月の3選出馬を可能にするための改憲の是非を懸けた国民投票で大統領は僅差で敗れている。
だが出馬意志は変わらず、昨年末、政権党「社会主義運動」(MAS)から、次期大統領候補に指名された。モラレスは現在3期目にあるが、現行憲法下では2期目。このため3選出馬のための改憲が必要だった。
▼ラ米短信 ◎フランス大統領歴訪
フランソワ・オランド仏大統領は1月21日サンティアゴでミチェル・バチェレー智大統領と会談。その後の記者会見で、保護主義を厳しく批判した。ドナルド・トランプ米大統領が念頭にあるのは言うまでもない。
両大統領は、1973年9月の軍事クーデターさなかに自殺したサルバドール・アジェンデ大統領の墓に表敬した。アジェンデは智社会党党首だった。
オランドは22日ボゴタ入りし、23日コロンビアのJMサントス大統領と会談。24日にはFARC集結地一カ所を視察する。
一方、FARC幹部イバン・マルケス司令は22日記者会見し、FARCは5月末に結党大会を開き、「開かれ民主的で現代的な政党になる」と述べた。「コロンビア変革を志す者は誰でも入党できる」とも語った。FARCは国内27カ所の集結地で党綱領などを練る。
モラレスは国会で施政報告演説を4時間20分に亘って展開、政権11年の「長期政権の安定性」を強調した。大統領は、ボリビアが独立した1825年から2005年までの180年間に大統領83人がいて、うち37人はゴルペ(クーデター)で政権に就いたとし、「大統領の平均任期は2年間だった。まともな政策立案や施政は可能だろうか」と指摘、自身の長期政権を肯定した。
大統領は、2025年までに「ボリビアを南米のエネルギーの中心国とする」と述べ、「天然ガスだけでなく電力も輸出する」と語った。この表明は、2020~25年の次期大統領の任期を念頭に置いている。
エボは、国会議員166人のうち5割強が女性、全体の41人が先住民族代表、29人が若者代表と指摘、「多民族性」が国会にも代表されていることを強調した。
施政の成果として、貧困率、極貧率、貧富格差が大幅に減少。国民の健康や非識字率も向上、経済成長率は平均5%で、モラレス政権登場前50年間の平均2・8%の倍近いことを訴えた。
また、クーバ医療派遣団700人の貢献、クーバの協力による「奇蹟作戦」で67万人余りが視力を回復したことに謝意を表した。
大統領が「長期政権の安定性」を強調したのは、2019年の大統領選挙に4選出馬し、25年まで任期を延長させたい意欲の表れだ。昨年2月の3選出馬を可能にするための改憲の是非を懸けた国民投票で大統領は僅差で敗れている。
だが出馬意志は変わらず、昨年末、政権党「社会主義運動」(MAS)から、次期大統領候補に指名された。モラレスは現在3期目にあるが、現行憲法下では2期目。このため3選出馬のための改憲が必要だった。
▼ラ米短信 ◎フランス大統領歴訪
フランソワ・オランド仏大統領は1月21日サンティアゴでミチェル・バチェレー智大統領と会談。その後の記者会見で、保護主義を厳しく批判した。ドナルド・トランプ米大統領が念頭にあるのは言うまでもない。
両大統領は、1973年9月の軍事クーデターさなかに自殺したサルバドール・アジェンデ大統領の墓に表敬した。アジェンデは智社会党党首だった。
オランドは22日ボゴタ入りし、23日コロンビアのJMサントス大統領と会談。24日にはFARC集結地一カ所を視察する。
一方、FARC幹部イバン・マルケス司令は22日記者会見し、FARCは5月末に結党大会を開き、「開かれ民主的で現代的な政党になる」と述べた。「コロンビア変革を志す者は誰でも入党できる」とも語った。FARCは国内27カ所の集結地で党綱領などを練る。
2017年1月10日火曜日
ボリビアに初の先住民自治市が誕生
ボリビアで1月8日、最初の先住民主体の自治体が発足した。ムニシピオ(市)の資格を持つ。エボ・モラレス大統領が2009年に制定した新憲法は「多民族国家ボリビア」を規定しているが、その理想を新自治体は具現化した。
自治体は「チャラグア・イヤンバエ・グアラニー自治市」で、市民3万2000人の7割近くは先住民族グアラニー人が占める。サンタクルース州内にあり、従来はチャラグア市だった。面積は7万4400km2と広大。
チャラグア市は09年12月、先住民中心の市への移行の是非を問う住民投票を将来実施することを決め、15年9月実施、賛成多数で移行を決めた。
自治体の政治機構は、①集落、地域、市全体の3段階の「集団決定機関」としての住民会議②市議会③行政府④行政責任者、の4機関で構成される。①は直接民主形態である参加型決定機関で、代議員27人は任期3年。②は議員12人(男女半々)で、任期5年。③は6人で、任期5年。④は1人で、任期3年。いずれも自由選挙で選ばれる。
自治体発足式に出席したアルバロ・ガルシア=リネア副大統領は祝辞で、「グアラニーは700年前にパラグアイ方面から来た。幾多の苦難、差別、涙があった。ここに至る道は容易なものではなかった。きょうは歴史的瞬間だ」と讃えた。
副大統領はまた、「参加型直接民主制度の最初の市であるが、効率的に施政するのは簡単なことではない。先例として模範になるかどうか、全国から注目されている」と激励。さらに、「しかしボリビア政府の施政の下にあることを忘れないでほしい」と注意を促した。
この日まず、市の47部署の担当者が就任した。グアラニー幹部は、「新市制によって、少数者の一族による差別的・排他的支配制度が葬られた」と、民主化の成果を指摘した。モラレス政権は、同様の自治市を増やしていく方針だ。
▼ラ米短信 ◎ベネスエラが「対クーデター・コマンド」を創設
ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は1月8日、タレク・エル-アイサミ副大統領管轄下に「対ゴルペ(クーデター)特殊コマンド」を新設すると発表した。同大統領の残る任期は19年1月までの2年間だが、野党連合MUDをはじめとする反政府勢力を抑え込めば、エル-アイサミが後継者として浮かび上がることになる。
大統領は、「ベネスエラはLAC(ラ米・カリブ)安定のための堅固な基盤だ。オバーマはボリバリアーナ革命を潰そうとして果たせなかったが、成功していたらLACは悲惨な状況に陥っていただろう」と述べた、
マドゥーロはまた、最低賃金を50%引き上げ、月4万638bf(約60米ドル)にすると明らかにした。インフレの進行で、庶民の生活は楽でない。
一方、野党連合MUDが圧倒的多数派の国会(フリオ・ボルヘス議長)は9日、マドゥーロ大統領が「職務を放棄した」とする決議を賛成106で可決。大統領選挙の早期実施を要求した。MUDは、大統領罷免の是非を問う国民投票を大統領が1月10日までに実施するのを意図的に怠ったとして「職務放棄」を宣言した。
▼ラ米短信 ◎FARCは大統領候補を擁立しない
FARC最高司令ティモチェンコは1月8日、2018年実施の大統領選挙でのFARC候補の出馬はないと前置きし、「和平合意を遵守し遂行する候補を支援する」と述べた。
昨年10月初めの国民投票で和平賛成派が僅差で敗れたことについては、「FARCは一貫して国民投票実施に反対していた。サントス(大統領)は案の定、十分な支持が得られなかった」と語った。
▼ラ米短信 ◎クーバ内相が死去
クーバのカルロス・フェルナンデス=ゴンディーン内相(78、革命軍中将)が1月7日病死した。角栄戦争中からのラウール現議長の部下で、アンゴラ戦争で戦功を挙げた。15年10月から内相の地位にあった。
同内相は今月5日実施された革命国家警察(PNR)創設58周年記念日の行事に出席せず、容体が危ぶまれていた。
新内相には9日、第一副内相フリオセサル・ガンダリージャ海軍中将が昇格した。対軍事諜報の専門家。
自治体は「チャラグア・イヤンバエ・グアラニー自治市」で、市民3万2000人の7割近くは先住民族グアラニー人が占める。サンタクルース州内にあり、従来はチャラグア市だった。面積は7万4400km2と広大。
チャラグア市は09年12月、先住民中心の市への移行の是非を問う住民投票を将来実施することを決め、15年9月実施、賛成多数で移行を決めた。
自治体の政治機構は、①集落、地域、市全体の3段階の「集団決定機関」としての住民会議②市議会③行政府④行政責任者、の4機関で構成される。①は直接民主形態である参加型決定機関で、代議員27人は任期3年。②は議員12人(男女半々)で、任期5年。③は6人で、任期5年。④は1人で、任期3年。いずれも自由選挙で選ばれる。
自治体発足式に出席したアルバロ・ガルシア=リネア副大統領は祝辞で、「グアラニーは700年前にパラグアイ方面から来た。幾多の苦難、差別、涙があった。ここに至る道は容易なものではなかった。きょうは歴史的瞬間だ」と讃えた。
副大統領はまた、「参加型直接民主制度の最初の市であるが、効率的に施政するのは簡単なことではない。先例として模範になるかどうか、全国から注目されている」と激励。さらに、「しかしボリビア政府の施政の下にあることを忘れないでほしい」と注意を促した。
この日まず、市の47部署の担当者が就任した。グアラニー幹部は、「新市制によって、少数者の一族による差別的・排他的支配制度が葬られた」と、民主化の成果を指摘した。モラレス政権は、同様の自治市を増やしていく方針だ。
▼ラ米短信 ◎ベネスエラが「対クーデター・コマンド」を創設
ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は1月8日、タレク・エル-アイサミ副大統領管轄下に「対ゴルペ(クーデター)特殊コマンド」を新設すると発表した。同大統領の残る任期は19年1月までの2年間だが、野党連合MUDをはじめとする反政府勢力を抑え込めば、エル-アイサミが後継者として浮かび上がることになる。
大統領は、「ベネスエラはLAC(ラ米・カリブ)安定のための堅固な基盤だ。オバーマはボリバリアーナ革命を潰そうとして果たせなかったが、成功していたらLACは悲惨な状況に陥っていただろう」と述べた、
マドゥーロはまた、最低賃金を50%引き上げ、月4万638bf(約60米ドル)にすると明らかにした。インフレの進行で、庶民の生活は楽でない。
一方、野党連合MUDが圧倒的多数派の国会(フリオ・ボルヘス議長)は9日、マドゥーロ大統領が「職務を放棄した」とする決議を賛成106で可決。大統領選挙の早期実施を要求した。MUDは、大統領罷免の是非を問う国民投票を大統領が1月10日までに実施するのを意図的に怠ったとして「職務放棄」を宣言した。
▼ラ米短信 ◎FARCは大統領候補を擁立しない
FARC最高司令ティモチェンコは1月8日、2018年実施の大統領選挙でのFARC候補の出馬はないと前置きし、「和平合意を遵守し遂行する候補を支援する」と述べた。
昨年10月初めの国民投票で和平賛成派が僅差で敗れたことについては、「FARCは一貫して国民投票実施に反対していた。サントス(大統領)は案の定、十分な支持が得られなかった」と語った。
▼ラ米短信 ◎クーバ内相が死去
クーバのカルロス・フェルナンデス=ゴンディーン内相(78、革命軍中将)が1月7日病死した。角栄戦争中からのラウール現議長の部下で、アンゴラ戦争で戦功を挙げた。15年10月から内相の地位にあった。
同内相は今月5日実施された革命国家警察(PNR)創設58周年記念日の行事に出席せず、容体が危ぶまれていた。
新内相には9日、第一副内相フリオセサル・ガンダリージャ海軍中将が昇格した。対軍事諜報の専門家。
2017年1月2日月曜日
ボリビア大統領が国連安保理非常任理事国就任に際し、「世界人民の声になる」と強調
ボリビアは2017年元日、国連安保理非常任理事国となった。ラ米枠のベネスエラと交代、任期は18年末までの2年間。
ボリビアは昨年6月、国連総会で193カ国中183カ国の支持を得て選ばれた。64~65年、78~79年に次いで3回目。ラ米のもう一カ国はウルグアイ。
エボ・モラエス大統領は、非常任理事国就任に際し、「ボリビアは安保理で世界人民の声となって、侵略者も被侵略者もいない地球をつくるために闘う」、「就任は、諸国人民を侵し資源を奪うため戦争を仕掛ける者たちを思想で爆撃する好機だ」と述べた。
ボリビアは当面の重要課題としてコロンビア和平、ハイチ情勢、西サハラ問題、パレスティーナ問題を挙げている。
非常任理事国の役割を終えたベネスエラのデルシー・ロドリゲス外相は元日、ボリビアを祝福。さらに新年演奏会でウィーンフィルハーモニーを指揮したグスタボ・ドゥダメルを「国の誇り」と讃えた。
▼ラ米短信 ◎メヒコがガソリン値上げ
メヒコは元日、ガソリンを14・2~20・1%、ディ-ゼルを16・5%、それぞれ値上げした。国際原油価格上昇を値上げの理由としている。だが、国営石油会社PEMEXの生産政策の失敗を指摘する批判が高まっている。
全国の給油所で抗議行動が起きている。今回のガソリン値上げは、生活を痛めつけるという意味で「ガソリナソ」と呼ばれている。
▼ラ米短信 ◎先住民の大統領候補は5月決定へ
サンクリストーバル・デ・ラスカサス市で年末から会合を開いていたEZLN(サパティスタ民族解放軍)と全国先住民会議(CNI)は元日、「先住民施政理事会」(CIG)設置および、来年7月の大統領選挙に出馬する女性の先住民統一候補を5月の次回会合で指名することを決めた。
先住民66集団が加盟するCNIは昨年10~12月、全国523共同体で先住民と話し合い、政治参加について協議してきた。
▼ラ米短信 ◎クーバが革命58周年迎える
社会主義クーバは元日、革命58周年を迎えた。共産党機関紙グランマは論説で、「故フィデル・カストロの遺志を継いで社会主義建設を進めてゆく」と強調した。2日にはハバナの革命広場で軍事観閲式と人民行進が催される。
ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は、クーバに祝電を送った。同大統領はまた、元日に213回目の独立記念日を迎えたアイチ(ハイチ) にも祝電を送った。同時に、ウラジーミル・プーチン露大統領から両国協力関係を讃える元日メッセージを受け取ったことも明らかにした。
ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領もクーバに祝電を送った。オルテガは10日、連続3期目の大統領就任式に臨む。
ボリビアは昨年6月、国連総会で193カ国中183カ国の支持を得て選ばれた。64~65年、78~79年に次いで3回目。ラ米のもう一カ国はウルグアイ。
エボ・モラエス大統領は、非常任理事国就任に際し、「ボリビアは安保理で世界人民の声となって、侵略者も被侵略者もいない地球をつくるために闘う」、「就任は、諸国人民を侵し資源を奪うため戦争を仕掛ける者たちを思想で爆撃する好機だ」と述べた。
ボリビアは当面の重要課題としてコロンビア和平、ハイチ情勢、西サハラ問題、パレスティーナ問題を挙げている。
非常任理事国の役割を終えたベネスエラのデルシー・ロドリゲス外相は元日、ボリビアを祝福。さらに新年演奏会でウィーンフィルハーモニーを指揮したグスタボ・ドゥダメルを「国の誇り」と讃えた。
▼ラ米短信 ◎メヒコがガソリン値上げ
メヒコは元日、ガソリンを14・2~20・1%、ディ-ゼルを16・5%、それぞれ値上げした。国際原油価格上昇を値上げの理由としている。だが、国営石油会社PEMEXの生産政策の失敗を指摘する批判が高まっている。
全国の給油所で抗議行動が起きている。今回のガソリン値上げは、生活を痛めつけるという意味で「ガソリナソ」と呼ばれている。
▼ラ米短信 ◎先住民の大統領候補は5月決定へ
サンクリストーバル・デ・ラスカサス市で年末から会合を開いていたEZLN(サパティスタ民族解放軍)と全国先住民会議(CNI)は元日、「先住民施政理事会」(CIG)設置および、来年7月の大統領選挙に出馬する女性の先住民統一候補を5月の次回会合で指名することを決めた。
先住民66集団が加盟するCNIは昨年10~12月、全国523共同体で先住民と話し合い、政治参加について協議してきた。
▼ラ米短信 ◎クーバが革命58周年迎える
社会主義クーバは元日、革命58周年を迎えた。共産党機関紙グランマは論説で、「故フィデル・カストロの遺志を継いで社会主義建設を進めてゆく」と強調した。2日にはハバナの革命広場で軍事観閲式と人民行進が催される。
ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は、クーバに祝電を送った。同大統領はまた、元日に213回目の独立記念日を迎えたアイチ(ハイチ) にも祝電を送った。同時に、ウラジーミル・プーチン露大統領から両国協力関係を讃える元日メッセージを受け取ったことも明らかにした。
ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領もクーバに祝電を送った。オルテガは10日、連続3期目の大統領就任式に臨む。
2016年12月19日月曜日
ボリビアのエボ・モラレス大統領が2019年出馬を受諾
ボリビアのエボ・モラレス大統領は12月17日、政権党「社会主義運動」(MAS=マス)の第9回党大会決定を受けて、2019年の大統領選挙に連続4選、現行憲法下では連続3選を目指し出馬することを約束した。現行任期は2012年1月まで。
大会は東部のサンタクルース州モンテロ市で16~17日開かれ、代議員ら6000人が参加した。「他の人物が政権を握れば、再び民営化や、少数者が富を独占する政治に戻ってしまう」と指摘し出馬を受け入れたモラレスは、「選挙で右翼と対決するには分裂してはならない。右翼は団結している。我々は人民として団結せねばならない」と訴えた。
モラレスは現行憲法下での連続3選を目指し、連続2選しか認めていない憲法修正の是非を問う国民投票を2月実施。だが、僅差で否決された。
このため党大会は、連続3選に道を開くための「4つの方法」を打ち出した。①有権者(630万人)の20%の署名を集めて改憲国民投票を再び実施②国会の3分の2の議員の発議で改憲し国民投票を実施③モラレスが任期切れの半年前(19年半ば)に辞任④憲法裁判所による憲法解釈。
③については、モラレス辞任後、腹心のアルバロ・ガルシア副大統領が暫定大統領となる。これによりガルシアは、2019年の大統領選挙にモラレスの副大統領候補としては出馬できなくなる。
国民投票を必要とする①②は、今年国民投票に敗れているだけに危険が大きい。③④は可能だが、世論の反発が高くなることが予想される。最近の世論動向は、カルロス・メサ元大統領の支持率がモラレスを凌ぎがちだ。
モラレスとMASは18日、コチャバンバ州チャパーレ市のイビルガルサマで、モラレス大統領選挙勝利11周年を「民主・文化革命記念日」として祝った。ベネスエラからはニコラース・マドゥーロ大統領の代理として、アリストーブロ・イズトゥーりス副大統領が出席した。出席を予定していたエクアドールのラファエル・コレア大統領は訪問を中止した。
マドゥーロ大統領は20日からトルコ、アゼルバイジャン、カタール、イラン、サウディアラビアを歴訪、「向こう10年間の国際原油価格安定化」について話し合う。
モラレスは出馬表明したが、内外の政治状況は楽観を許さない。ラ米とりわけ南米は昨年末以降、政治の潮流が右旋回しており、コレア大統領は今年、3選出馬を断念した。マドゥーロ大統領も政経両面の困難に直面している。老舗左翼のクーバも経済困難、国父フィデル・カストロ死去、トランプ次期米政権登場で先行きは険しい。
▼ラ米短信 ◎玖米関係正常化決定発表から2年
玖米両首脳が2014年12月17日、それぞれの首都で関係正常化方針を同時発表してから丸2年経った。【これについては近い将来、論文を執筆。】
内戦中のシリアに18日、クーバ製医薬品(髄膜炎ワクチン24万回分)=時価93万ドル相当=が到着した。友好協力協定に基づく。
大会は東部のサンタクルース州モンテロ市で16~17日開かれ、代議員ら6000人が参加した。「他の人物が政権を握れば、再び民営化や、少数者が富を独占する政治に戻ってしまう」と指摘し出馬を受け入れたモラレスは、「選挙で右翼と対決するには分裂してはならない。右翼は団結している。我々は人民として団結せねばならない」と訴えた。
モラレスは現行憲法下での連続3選を目指し、連続2選しか認めていない憲法修正の是非を問う国民投票を2月実施。だが、僅差で否決された。
このため党大会は、連続3選に道を開くための「4つの方法」を打ち出した。①有権者(630万人)の20%の署名を集めて改憲国民投票を再び実施②国会の3分の2の議員の発議で改憲し国民投票を実施③モラレスが任期切れの半年前(19年半ば)に辞任④憲法裁判所による憲法解釈。
③については、モラレス辞任後、腹心のアルバロ・ガルシア副大統領が暫定大統領となる。これによりガルシアは、2019年の大統領選挙にモラレスの副大統領候補としては出馬できなくなる。
国民投票を必要とする①②は、今年国民投票に敗れているだけに危険が大きい。③④は可能だが、世論の反発が高くなることが予想される。最近の世論動向は、カルロス・メサ元大統領の支持率がモラレスを凌ぎがちだ。
モラレスとMASは18日、コチャバンバ州チャパーレ市のイビルガルサマで、モラレス大統領選挙勝利11周年を「民主・文化革命記念日」として祝った。ベネスエラからはニコラース・マドゥーロ大統領の代理として、アリストーブロ・イズトゥーりス副大統領が出席した。出席を予定していたエクアドールのラファエル・コレア大統領は訪問を中止した。
マドゥーロ大統領は20日からトルコ、アゼルバイジャン、カタール、イラン、サウディアラビアを歴訪、「向こう10年間の国際原油価格安定化」について話し合う。
モラレスは出馬表明したが、内外の政治状況は楽観を許さない。ラ米とりわけ南米は昨年末以降、政治の潮流が右旋回しており、コレア大統領は今年、3選出馬を断念した。マドゥーロ大統領も政経両面の困難に直面している。老舗左翼のクーバも経済困難、国父フィデル・カストロ死去、トランプ次期米政権登場で先行きは険しい。
▼ラ米短信 ◎玖米関係正常化決定発表から2年
玖米両首脳が2014年12月17日、それぞれの首都で関係正常化方針を同時発表してから丸2年経った。【これについては近い将来、論文を執筆。】
内戦中のシリアに18日、クーバ製医薬品(髄膜炎ワクチン24万回分)=時価93万ドル相当=が到着した。友好協力協定に基づく。
2016年11月22日火曜日
25年来最悪の旱害直面のボリビアが緊急事態を発動
ボリビアのエボ・モラレス大統領は11月21日、過去25年来最悪の旱害に直面しているとして、国家緊急事態を発動した。大統領は地球温暖化が原因とし、ボリビアは過去100年来、最も気温が高くなっていると指摘した。
国営水道会社EPSASは同日、政治首都ラパス、エル・アルト、コチャバンバ、オルーロ、ポトシー、憲法首都スクレ、タリーハの主要7都市に飲料水の配給制を敷いた。
ラパスでは既に過去2週間、3日ごとに3時間だけという厳しい上水道使用制限が敷かれてきた。同市人口80万人の半数に影響が及んでいる。
既存の主要貯水池の貯水量は最大容量の10%以下に落ち込んでおり、大統領は各地で貯水池建設が急がれる、と述べた。
各地で断水や水不足に対し抗議行動が起きている。特に灌漑用水が不可欠な農村や、大量の洗浄水を使う鉱山で不満が渦巻いている。
国営水道会社EPSASは同日、政治首都ラパス、エル・アルト、コチャバンバ、オルーロ、ポトシー、憲法首都スクレ、タリーハの主要7都市に飲料水の配給制を敷いた。
ラパスでは既に過去2週間、3日ごとに3時間だけという厳しい上水道使用制限が敷かれてきた。同市人口80万人の半数に影響が及んでいる。
既存の主要貯水池の貯水量は最大容量の10%以下に落ち込んでおり、大統領は各地で貯水池建設が急がれる、と述べた。
各地で断水や水不足に対し抗議行動が起きている。特に灌漑用水が不可欠な農村や、大量の洗浄水を使う鉱山で不満が渦巻いている。
2016年11月20日日曜日
ボリビア原子炉の建設前調査は来年3月終了へ
ボリビアの原子力開発当局者は政治首都ラパスで11月18日、同市郊外にある標高4000mのエル・アルト市に建設される実験用原子炉1基から出る廃棄物は年間2kg程度で、すべてロシアに送られる、と明らかにした。
ボリビアのエボ・モラレス大統領は2014年、原子力導入を決定。ことし3月、ロシアと原子力協力協定を結んだ。
これにより、ロシアのロサトム社が平和利用のための原子力調査所を総工費3億ドルで建設することになった。原子炉1基、および癌早期予測や冠状動脈疾患検査などの医療用施設、食糧安全・無害調査施設が含まれる。
ロサトム社は来年3月、実現可能性調査を終え、着工する見通し。工期は4年。建設敷地総面積は計15ha。国連・国際原子力機関(IAEA)は、この事業を認定している。
この種の原子力調査所はラ米ではブラジル、アルヘンティーナ、メヒコにある。ボリビアの施設が完成すれば、ラ米最大級の規模になる見込み。
廃棄物のロシア移送は、原子炉稼働から15~20年後になると、ロサトム社は予測している。なおボリビアはラ米有数の天然ガス生産国であり、産油国でもある。
ボリビアのエボ・モラレス大統領は2014年、原子力導入を決定。ことし3月、ロシアと原子力協力協定を結んだ。
これにより、ロシアのロサトム社が平和利用のための原子力調査所を総工費3億ドルで建設することになった。原子炉1基、および癌早期予測や冠状動脈疾患検査などの医療用施設、食糧安全・無害調査施設が含まれる。
ロサトム社は来年3月、実現可能性調査を終え、着工する見通し。工期は4年。建設敷地総面積は計15ha。国連・国際原子力機関(IAEA)は、この事業を認定している。
この種の原子力調査所はラ米ではブラジル、アルヘンティーナ、メヒコにある。ボリビアの施設が完成すれば、ラ米最大級の規模になる見込み。
廃棄物のロシア移送は、原子炉稼働から15~20年後になると、ロサトム社は予測している。なおボリビアはラ米有数の天然ガス生産国であり、産油国でもある。
2016年8月26日金曜日
ボリビア副内相が対政府闘争中の鉱山労働者に殺さる
ボリビア副内相(治安・警察担当)ロドルフォ・イヤネスが8月25日、鉱山労働者に殴打され殺された。全国鉱山協同組合連合(FEDECOMIN、150組合加盟)は、モラレス政権が施行した改訂労組法に反対、ラパス州内で自動車道を遮断するなどして抗議行動を展開していた。
組合側は同日、政治首都ラパスのあるラパス州南部のパンドゥーロでイヤネス副内相を拉致、人質とし、組合員が新たに死ねば殺すと公言していた。今回の闘争で組合員一人が死亡していたが、25日、また一人が死亡。組合側は副内相を拷問した末に殴り殺した。
警官隊と組合側は自動車道で対峙。組合側はさらに自動車道脇の丘の上に陣取り、時折ダイナマイトを投げていた。警官隊は催涙弾を数多く発射していたが、混乱の中でなされた発砲で組合員2人が死んだ。
副内相の遺体は26日未明、政府に引き渡された。警察は組合員約50人を逮捕、副内相殺害に関与した鉱夫らの特定を急いでいる。組合員らは民間資本との協働認可を求めていたが、政府が拒否したため、闘争に出ていた。
★ラ米短信 阪本順治監督、オダギリジョー主演の日本キューバ合作映画「エルネスト」の日本での撮影は8月24日終了、キューバ側チームは25日、帰国の途に就いた。
阪本監督ら日本側チーム約30人は28日ハバナに向かい、既に現地入りしているオダギリジョーらと合流。撮影は10月半ばまで続く。
この映画は、チェ・ゲバラの部下としてボリビア山中で戦い、1967年8月31日処刑された日系ボリビア人青年フレディ・マエムラ(前村)=ウルタードの半生を描く。フレディの姉、故マリー・マエムラ=ウルタード・デ・ソラーレスらが書いた『革命の侍』(松枝愛訳、2009年、長崎出版)を基にしている。
映画は、チェ・ゲバラ処刑50周年の2017年10月9日の時期に合わせて公開される。日本での場面以外は、台詞はすべてスペイン語。フレディ訳のオダギリジョーは西語の特訓を受けてきた。
組合側は同日、政治首都ラパスのあるラパス州南部のパンドゥーロでイヤネス副内相を拉致、人質とし、組合員が新たに死ねば殺すと公言していた。今回の闘争で組合員一人が死亡していたが、25日、また一人が死亡。組合側は副内相を拷問した末に殴り殺した。
警官隊と組合側は自動車道で対峙。組合側はさらに自動車道脇の丘の上に陣取り、時折ダイナマイトを投げていた。警官隊は催涙弾を数多く発射していたが、混乱の中でなされた発砲で組合員2人が死んだ。
副内相の遺体は26日未明、政府に引き渡された。警察は組合員約50人を逮捕、副内相殺害に関与した鉱夫らの特定を急いでいる。組合員らは民間資本との協働認可を求めていたが、政府が拒否したため、闘争に出ていた。
★ラ米短信 阪本順治監督、オダギリジョー主演の日本キューバ合作映画「エルネスト」の日本での撮影は8月24日終了、キューバ側チームは25日、帰国の途に就いた。
阪本監督ら日本側チーム約30人は28日ハバナに向かい、既に現地入りしているオダギリジョーらと合流。撮影は10月半ばまで続く。
この映画は、チェ・ゲバラの部下としてボリビア山中で戦い、1967年8月31日処刑された日系ボリビア人青年フレディ・マエムラ(前村)=ウルタードの半生を描く。フレディの姉、故マリー・マエムラ=ウルタード・デ・ソラーレスらが書いた『革命の侍』(松枝愛訳、2009年、長崎出版)を基にしている。
映画は、チェ・ゲバラ処刑50周年の2017年10月9日の時期に合わせて公開される。日本での場面以外は、台詞はすべてスペイン語。フレディ訳のオダギリジョーは西語の特訓を受けてきた。
2016年8月19日金曜日
ボリビアに反帝国主義教える軍事学校が開校
ボリビアのエボ・モラレス大統領は8月17日、サンタクルース州ワルネス市での軍事学校開校式で100分間演説、ラ米進歩主義諸国の軍人に反帝国主義教義を教えてゆく、と強調した。
同市内の国連訓練施設跡地に建設された「フアン=ホセ・トーレス将軍反帝国主義司令学校」は当面、ボリビア人士官候補生71人に4カ月間、教育を施す。士官および下士官を対象とした入学は義務ではないが、昇進に影響する。教科は歴史、地政学、軍事戦略など。
将来的には定員200人、ボリビア、ベネスエラ、エクアドール、ニカラグアの「米州ボリバリアーナ同盟」(ALBA)のラ米加盟国軍人を教育する。ALBA加盟国クーバは独自の革命教育を持つため、入学しない。式典にはボリビア軍部高官のほか、べネスエラとニカラグアの国防相、エクアドールの副国防相も出席した。
モラレス大統領は演説で、米国がかつてパナマ運河地帯に維持していた「ラス・アメリカス学校」のような帝国主義の対ラ米恐怖政策伝播に対抗するため開校したと前置きし、「米国が軍事学校で世界支配を教えるならば、我々は帝国主義の抑圧からの解放を教えよう」と述べ、「これは帝国主義に対する人民防衛のための学校だ」と指摘した。
大統領はまた、「ボリビアは過去にスペイン支配に遭い、その後、英国の間接的攻撃により1879年の太平洋戦争で海岸領土を失う結果となった」、「米国はテロリズモを口実に中東諸国に侵略、ボリビアには麻薬取引を口実に介入してきた。侵略対象は資源豊かな国々、反帝国主義政府のある国々だ」とも語った。
学校名のトーレス将軍は1970~71年の軍事人民政権大統領。亡命先の亜国で76年、「コンドル作戦」により暗殺された。
▼ラ米短信 クーバ共産党は8月16日、「経済社会政策指針」を改訂、274項目を発表した。「市場関係が客観的に存在する」と認める一方、「私有資産と富の集中は許さない」、「中央集権経済体制は維持する」と釘をさし、「インターネットのサービス改善に努める」とも表明。
クーバ経済の成長率は上半期、予想をはるかに下回る1%。米国経済との部分的接近が改革に本質的効果を及ぼしていないことや、ベネスエラの政経両面の危機による原油供給減が影響を及ぼしている事実が明白になった。さらに改革に対する官僚層など守旧派の抵抗が依然強いことも浮き彫りになった。
国内の経済不調によって、改革の歩みは遅く、効果は限定的であり、国民不満は募っている。共産党は5月、「2030年までに中小民間企業を公認する」と打ち出したが、今回、その実現のための行程表は明らかにされなかった。
同市内の国連訓練施設跡地に建設された「フアン=ホセ・トーレス将軍反帝国主義司令学校」は当面、ボリビア人士官候補生71人に4カ月間、教育を施す。士官および下士官を対象とした入学は義務ではないが、昇進に影響する。教科は歴史、地政学、軍事戦略など。
将来的には定員200人、ボリビア、ベネスエラ、エクアドール、ニカラグアの「米州ボリバリアーナ同盟」(ALBA)のラ米加盟国軍人を教育する。ALBA加盟国クーバは独自の革命教育を持つため、入学しない。式典にはボリビア軍部高官のほか、べネスエラとニカラグアの国防相、エクアドールの副国防相も出席した。
モラレス大統領は演説で、米国がかつてパナマ運河地帯に維持していた「ラス・アメリカス学校」のような帝国主義の対ラ米恐怖政策伝播に対抗するため開校したと前置きし、「米国が軍事学校で世界支配を教えるならば、我々は帝国主義の抑圧からの解放を教えよう」と述べ、「これは帝国主義に対する人民防衛のための学校だ」と指摘した。
大統領はまた、「ボリビアは過去にスペイン支配に遭い、その後、英国の間接的攻撃により1879年の太平洋戦争で海岸領土を失う結果となった」、「米国はテロリズモを口実に中東諸国に侵略、ボリビアには麻薬取引を口実に介入してきた。侵略対象は資源豊かな国々、反帝国主義政府のある国々だ」とも語った。
学校名のトーレス将軍は1970~71年の軍事人民政権大統領。亡命先の亜国で76年、「コンドル作戦」により暗殺された。
▼ラ米短信 クーバ共産党は8月16日、「経済社会政策指針」を改訂、274項目を発表した。「市場関係が客観的に存在する」と認める一方、「私有資産と富の集中は許さない」、「中央集権経済体制は維持する」と釘をさし、「インターネットのサービス改善に努める」とも表明。
クーバ経済の成長率は上半期、予想をはるかに下回る1%。米国経済との部分的接近が改革に本質的効果を及ぼしていないことや、ベネスエラの政経両面の危機による原油供給減が影響を及ぼしている事実が明白になった。さらに改革に対する官僚層など守旧派の抵抗が依然強いことも浮き彫りになった。
国内の経済不調によって、改革の歩みは遅く、効果は限定的であり、国民不満は募っている。共産党は5月、「2030年までに中小民間企業を公認する」と打ち出したが、今回、その実現のための行程表は明らかにされなかった。
2016年5月25日水曜日
ボリビア大統領が4選出馬のため国民投票また実施か
ボリビアのエボ・モラレス大統領は5月24日、2019年の大統領選挙に4選を目指して出馬する意志を明らかにした。そのためには大統領連続再選回数を定めた憲法条項を修正せねばならない。大統領は今年2月21日、そのための国民投票で敗れた。
これについてモラレスは、あの時は醜聞を流され、改憲賛成48・7%、反対51・3%で敗れたが、醜聞のない新たな国民投票では勝つ、と明言した。
2月の投票直前、カルロス・バルベルデという記者が、モラレスの愛人問題、とりわけ二人の間に子供が一人いたという情報を流した。これが災いし、モラレスは僅差で敗れた。だが最近、同記者は「元愛人との間に子供はいなかった」ことを確認した。これが今、モラレスには有利に作用している。
モラレスの最強の支持基盤は、コチャバンバ市郊外チャパーレでコカ葉を栽培している労働者(コカレロ)および、同市を本拠とするコカレロ労連。モラレスは今も、コカレロ労連連合の最高指導者だ。このコチャバンバ市の支持層は、国民投票実施に必要な有権者の20%(120万人)の署名を集める運動を近い将来開始することにしている。
「やり直し投票」は来年実施の公算が大きい。南米の右傾化が進行している今、モラレスは南米左翼の新しい指導者になろうと決意しているかに見える。また、悲願の「太平洋岸領土回復」のためには、政権に居続けねばならない。
▼ラ米短信 エクアドールのラファエル・コレア大統領は5月24日、国会で最後の施政報告演説を展開した。国会議長、副大統領、閣僚の3人の登壇を含め、5時間に及んだ。
大統領は来年のこの日、任期満了で退陣するが、「国は私から休むべきだ」と、2007年から10年続くことになる長期政権であることに触れた。
太平洋岸で4月16日に起きたM7・8の大地震の復興費を30億ドルと見積もり、資金捻出のため水力発電所、銀行、テレビ放送局など国営企業の売却(民営化)を余儀なくされる、と述べた。
また6月1日施行の特別措置で、付加価値税(消費税)を現行の12%から14%に引き上げる。月給1000ドル以上の者から1日分の給与を徴収すつことや、資産100万ドル以上の富裕層から、その0・9%を1回だけ徴収することも明らかにした。
経済不況については、最大輸出品である原油の国際価格低迷、中国経済減速、ロシア市場狭小化、米OXY石油への「賠償金」10億ドル支払い、輸出減少、外資導入縮小、通貨が米ドルであるための負の問題などを列挙した。
大統領は、政権党「PAIS」の党大会や予備選を年内に開き、後継の大統領候補を決めることにしている。
これについてモラレスは、あの時は醜聞を流され、改憲賛成48・7%、反対51・3%で敗れたが、醜聞のない新たな国民投票では勝つ、と明言した。
2月の投票直前、カルロス・バルベルデという記者が、モラレスの愛人問題、とりわけ二人の間に子供が一人いたという情報を流した。これが災いし、モラレスは僅差で敗れた。だが最近、同記者は「元愛人との間に子供はいなかった」ことを確認した。これが今、モラレスには有利に作用している。
モラレスの最強の支持基盤は、コチャバンバ市郊外チャパーレでコカ葉を栽培している労働者(コカレロ)および、同市を本拠とするコカレロ労連。モラレスは今も、コカレロ労連連合の最高指導者だ。このコチャバンバ市の支持層は、国民投票実施に必要な有権者の20%(120万人)の署名を集める運動を近い将来開始することにしている。
「やり直し投票」は来年実施の公算が大きい。南米の右傾化が進行している今、モラレスは南米左翼の新しい指導者になろうと決意しているかに見える。また、悲願の「太平洋岸領土回復」のためには、政権に居続けねばならない。
▼ラ米短信 エクアドールのラファエル・コレア大統領は5月24日、国会で最後の施政報告演説を展開した。国会議長、副大統領、閣僚の3人の登壇を含め、5時間に及んだ。
大統領は来年のこの日、任期満了で退陣するが、「国は私から休むべきだ」と、2007年から10年続くことになる長期政権であることに触れた。
太平洋岸で4月16日に起きたM7・8の大地震の復興費を30億ドルと見積もり、資金捻出のため水力発電所、銀行、テレビ放送局など国営企業の売却(民営化)を余儀なくされる、と述べた。
また6月1日施行の特別措置で、付加価値税(消費税)を現行の12%から14%に引き上げる。月給1000ドル以上の者から1日分の給与を徴収すつことや、資産100万ドル以上の富裕層から、その0・9%を1回だけ徴収することも明らかにした。
経済不況については、最大輸出品である原油の国際価格低迷、中国経済減速、ロシア市場狭小化、米OXY石油への「賠償金」10億ドル支払い、輸出減少、外資導入縮小、通貨が米ドルであるための負の問題などを列挙した。
大統領は、政権党「PAIS」の党大会や予備選を年内に開き、後継の大統領候補を決めることにしている。
2016年3月7日月曜日
ロシアのロサトム社がボリビアに原子炉建設へ
ボリビア政府とロシアの核エネルギー開発企業ロサトム社は3月6日、政治首都ラパスに隣接するエル・アルト市で、平和利用を目的とする核エネルギー技術の開発協力調停に調印した。
ロサトム社は、実験用原子炉を備えた「核技術実験・開発セントロ」を同市に総工費3億ドル、工期4年で建設する。工費の一部はボリビア政府が負担する。同社が設計、建設、操作、施設解体・撤去などを担当する。
完成後、放射性同位元素を生産し、医療、工業、農業などに役立てる。併せて放射線汚染対策、環境保護、人材育成も為される。
将来的に、原子核破壊のためのイオン加速装置を持つ「国立イオン加速装置・ラジウム薬学セントロ」を設置する。多目的照射施設(PMI)として利用され、食糧の安全、無害化などに使われる。
このほか、核エネルギー平和利用で、環境科学、生物学、物理学、化学、石油化学、水利学、地質学も恩恵を受けるとされている。
ロサトム社は、実験用原子炉を備えた「核技術実験・開発セントロ」を同市に総工費3億ドル、工期4年で建設する。工費の一部はボリビア政府が負担する。同社が設計、建設、操作、施設解体・撤去などを担当する。
完成後、放射性同位元素を生産し、医療、工業、農業などに役立てる。併せて放射線汚染対策、環境保護、人材育成も為される。
将来的に、原子核破壊のためのイオン加速装置を持つ「国立イオン加速装置・ラジウム薬学セントロ」を設置する。多目的照射施設(PMI)として利用され、食糧の安全、無害化などに使われる。
このほか、核エネルギー平和利用で、環境科学、生物学、物理学、化学、石油化学、水利学、地質学も恩恵を受けるとされている。
2016年2月27日土曜日
後継候補は2018年に選出、とボリビア大統領表明
ボリビア国民投票(2月21日実施)でエボ・モラレス大統領の2019年大統領選挙出馬が不可能になったことから、政権党MAS(社会主義運動)内部で後継者を探す動きが出始めている。
MASの元上院議員サンドラ・ソリアーノは2月27日、後継者はモラレスの長女エバリス・モラレス(23)にすべきだ、と表明した。エバリスは大学法学部で弁護士になるため勉学中。
父親大統領派の若者の政治運動「エボ世代」の中心的活動家でもある。26日で発生後1年5カ月経ったメヒコ教員養成学校生43人強制失踪事件の43人への連帯運動を展開中。また、ボリビアの太平洋岸領土回復の悲願実現を支持するチレ人との連携などを遂行している。
これに対し、MASの上院議員レネー・ホアキーノ(元ポトシー市長)は27日、「政治家として最高位を志す。私にはその能力がある」と表明した。ホアキーノは2009年の大統領選壺前、モラレスの対抗馬になろうとしたことがある。
ホアキーノはまた、野党勢力からは、サンタクルース州知事ルベーン・アコスタ(社会民主運動)、政治首都ラパス市長フェリックス・パツィ(第3千年紀)、実業家サムエル・ドリア(国民連合)、カルロス・メサ元暫定大統領、ホルヘ・キロガ元暫定大統領らが出馬する可能性がある、と指摘した。
一方、モラレス大統領25日、後継者は選挙前年の2018年に決める、と言明した。モラレスは今回の敗北について、「一つの戦(いくさ)には敗れたが、戦争全体には負けていない」と述べた。
モラレスはさらに、国民投票の投票動向に影響を及ぼしたインターネットによる「愛人醜聞情報」の伝達を念頭に、「社会メディアを尊重するが、嘘偽りの悪宣伝は規制すべきだ」と述べ、政府が規制措置の検討に入ったことを示唆した。
モラレスはコカ葉栽培労働者全国組織の最高指導者でもあるが、27日開かれた第15回ユンガス-チャパーレ(コカ葉生産)伝統地域特別連合会議」で演説、「大統領任期は4年近く残っているが、大統領罷免の是非を問う国民投票を実施してもいい」と述べた。この国民投票の実施可能性はないが、実施されれば勝つとの自信を示した発言で、敗北後の強がりだろうか。
内務省は26日、モラレスの元愛人ガブリエーラ・サパタを逮捕、「愛人の地位」を利用して、自身が重役を務める中国系企業CAMCが政府発注事業を獲得したか否かなどを取り調べている。
ボリビアには中国企業約70社が進出、鉱業、土建などに参入している。
MASの元上院議員サンドラ・ソリアーノは2月27日、後継者はモラレスの長女エバリス・モラレス(23)にすべきだ、と表明した。エバリスは大学法学部で弁護士になるため勉学中。
父親大統領派の若者の政治運動「エボ世代」の中心的活動家でもある。26日で発生後1年5カ月経ったメヒコ教員養成学校生43人強制失踪事件の43人への連帯運動を展開中。また、ボリビアの太平洋岸領土回復の悲願実現を支持するチレ人との連携などを遂行している。
これに対し、MASの上院議員レネー・ホアキーノ(元ポトシー市長)は27日、「政治家として最高位を志す。私にはその能力がある」と表明した。ホアキーノは2009年の大統領選壺前、モラレスの対抗馬になろうとしたことがある。
ホアキーノはまた、野党勢力からは、サンタクルース州知事ルベーン・アコスタ(社会民主運動)、政治首都ラパス市長フェリックス・パツィ(第3千年紀)、実業家サムエル・ドリア(国民連合)、カルロス・メサ元暫定大統領、ホルヘ・キロガ元暫定大統領らが出馬する可能性がある、と指摘した。
一方、モラレス大統領25日、後継者は選挙前年の2018年に決める、と言明した。モラレスは今回の敗北について、「一つの戦(いくさ)には敗れたが、戦争全体には負けていない」と述べた。
モラレスはさらに、国民投票の投票動向に影響を及ぼしたインターネットによる「愛人醜聞情報」の伝達を念頭に、「社会メディアを尊重するが、嘘偽りの悪宣伝は規制すべきだ」と述べ、政府が規制措置の検討に入ったことを示唆した。
モラレスはコカ葉栽培労働者全国組織の最高指導者でもあるが、27日開かれた第15回ユンガス-チャパーレ(コカ葉生産)伝統地域特別連合会議」で演説、「大統領任期は4年近く残っているが、大統領罷免の是非を問う国民投票を実施してもいい」と述べた。この国民投票の実施可能性はないが、実施されれば勝つとの自信を示した発言で、敗北後の強がりだろうか。
内務省は26日、モラレスの元愛人ガブリエーラ・サパタを逮捕、「愛人の地位」を利用して、自身が重役を務める中国系企業CAMCが政府発注事業を獲得したか否かなどを取り調べている。
ボリビアには中国企業約70社が進出、鉱業、土建などに参入している。
2016年2月24日水曜日
ボリビア国民投票でモラレス大統領が僅差で敗北
ボリビア選管は2月23日夜、21日実施のモラレス4選をかけた国民投票でエボ・モラレス大統領が敗れたことを明らかにした。開票率99・72%、改憲賛成48・69%、反対51・31%で、2・62ポイントの僅差で改憲反対派が勝利した。
モラレス大統領は、出口調査で反対が優勢な趨勢を明確に示していた段階で、先住民票、農村票、在外票の開票を待つと言い、逆転勝利に期待をかけていた。確かに差は縮まったが、賛成が反対を上回ることはなかった。
モラレスは24日、敗北を認めながらも、「反対派による汚いキャンペーンがあった」と糾弾した。
これでモラレスは、2019年実施の次期大統領選挙に出馬できないことになった。現任期は2020年1月までであり、モラレスはいったん、政権を離れなければならなくなった。
モラレス政権下で制定された現行憲法は、連続2選までしか認めていない。モラレスは2005年、旧憲法下で当選し06年1月就任。その後、新憲法を制定、その下で2選を遂げた。今回、改憲によって3選を目指したが、既に10年政権にあり、飽きられていたことは否めない。
野党幹部の一人、カルロス・メサ元暫定大統領は国民投票結果を受けて、「絶対不可欠な大義はあっても、余人をもって代えがたい人物はいない。そのことが証明された」と述べた。
南米では昨年末以来、右傾化が顕著だ。アルヘンティーナにマクリ右翼政権が誕生。ベネスエラ国会は保守・右翼野党連合MUDが多数を占めた。これに続くモラレスの敗北で、南米左翼路線の退潮が一層鮮明になった。
ボリビア政権党MAS(社会主義運動)内部では、モラレスの後継者の地位を狙う権力闘争が始まることが予想される。現時点で有力なのは、モラレスの側近で先住民のダビー・チョケウアンカ外相と見られている。
モラレス大統領は、出口調査で反対が優勢な趨勢を明確に示していた段階で、先住民票、農村票、在外票の開票を待つと言い、逆転勝利に期待をかけていた。確かに差は縮まったが、賛成が反対を上回ることはなかった。
モラレスは24日、敗北を認めながらも、「反対派による汚いキャンペーンがあった」と糾弾した。
これでモラレスは、2019年実施の次期大統領選挙に出馬できないことになった。現任期は2020年1月までであり、モラレスはいったん、政権を離れなければならなくなった。
モラレス政権下で制定された現行憲法は、連続2選までしか認めていない。モラレスは2005年、旧憲法下で当選し06年1月就任。その後、新憲法を制定、その下で2選を遂げた。今回、改憲によって3選を目指したが、既に10年政権にあり、飽きられていたことは否めない。
野党幹部の一人、カルロス・メサ元暫定大統領は国民投票結果を受けて、「絶対不可欠な大義はあっても、余人をもって代えがたい人物はいない。そのことが証明された」と述べた。
南米では昨年末以来、右傾化が顕著だ。アルヘンティーナにマクリ右翼政権が誕生。ベネスエラ国会は保守・右翼野党連合MUDが多数を占めた。これに続くモラレスの敗北で、南米左翼路線の退潮が一層鮮明になった。
ボリビア政権党MAS(社会主義運動)内部では、モラレスの後継者の地位を狙う権力闘争が始まることが予想される。現時点で有力なのは、モラレスの側近で先住民のダビー・チョケウアンカ外相と見られている。
2016年2月22日月曜日
ボリビア国民投票でモラレス大統領敗北の公算
ボリビアのエボ・モラレス大統領は2月21日実施された国民投票で敗北した可能性がある。選挙最高裁判所(TSE)は22日、開票率85%段階で、モラレス4選への反対53・8%、賛成46・2%と発表した。各種の出口調査でも反対が上回っている。
モラレスは、2019年の次期大統領選挙への出馬を可能にするための改憲をかけて国民投票を実施した。現行憲法下では連続2選しかできず、モラレスは改憲で連続3選を可能にしようとしている。
先住民族アイマラ人であるモラレスは2006年1月以来、旧憲法下での最初の当選を含め既に3選を果たし、政権は10年続いている。現行任期も2020年1月まで、あと4年ある。
次回選挙に出馬し当選すれば、政権は2025年まで続くことになり、さすがに有権者は拒絶反応を示さざるをえなくなった、と指摘することができる。2025年はボリビア独立200周年であり、モラレスは大統領として、その年を迎えたがっていた。
民放テレビ、出口調査機関などは、改憲反対52・3%、賛成47・7%、同51対49など、反対が過半数と発表している。
ボリビア9州のうち、出口調査で賛成票が多数なのはラパス、コチャバンバ、オルーロの3州だけだ。
モラレスは外国紙に対し、「支持団体から新自由主義勢力を復活させないために出馬してくれと推挙された。だが負けたら(2020年1月)チャパーレに帰る」と語っている。コチャバンバ市郊外のチャパーレはモラレスが指導するコカ葉栽培労組の中心的栽培地だ。
さらに後継者候補の一人として、ダビー・チョケウアンカ外相の名を挙げた。米帝国主義反対一辺倒の論理は古いのではないかと訊かれると、「帝国と資本主義があるかぎり闘争は続く」と答えた。
モラレスとともに歩んできたアルバロ・ガルシア副大統領も、「我々は人民の中から出てきた。人民の意見に従う」と、敗北を覚悟したかのような発言をしている。
モラレスは経済建設で前例のない成果を挙げたが、国民投票直前の今月初め、愛人のいる企業に公共事業を発注した疑惑を暴露されたのが響いた。またエル・アルト市で政権党MAS要員らが市庁舎に乱入し放火、6人が死亡する事件が起きたのも影響した。
南米ではアルゼンチンでの右翼政権発足、ベネズエラ国会での保守・右翼連合の多数支配など右傾化の流れが顕著になっている。モラエス敗北が確定すれば、南米左翼の潮流に対する右傾化の逆流が本流になる可能性が出てくる。
モラレスは、2019年の次期大統領選挙への出馬を可能にするための改憲をかけて国民投票を実施した。現行憲法下では連続2選しかできず、モラレスは改憲で連続3選を可能にしようとしている。
先住民族アイマラ人であるモラレスは2006年1月以来、旧憲法下での最初の当選を含め既に3選を果たし、政権は10年続いている。現行任期も2020年1月まで、あと4年ある。
次回選挙に出馬し当選すれば、政権は2025年まで続くことになり、さすがに有権者は拒絶反応を示さざるをえなくなった、と指摘することができる。2025年はボリビア独立200周年であり、モラレスは大統領として、その年を迎えたがっていた。
民放テレビ、出口調査機関などは、改憲反対52・3%、賛成47・7%、同51対49など、反対が過半数と発表している。
ボリビア9州のうち、出口調査で賛成票が多数なのはラパス、コチャバンバ、オルーロの3州だけだ。
モラレスは外国紙に対し、「支持団体から新自由主義勢力を復活させないために出馬してくれと推挙された。だが負けたら(2020年1月)チャパーレに帰る」と語っている。コチャバンバ市郊外のチャパーレはモラレスが指導するコカ葉栽培労組の中心的栽培地だ。
さらに後継者候補の一人として、ダビー・チョケウアンカ外相の名を挙げた。米帝国主義反対一辺倒の論理は古いのではないかと訊かれると、「帝国と資本主義があるかぎり闘争は続く」と答えた。
モラレスとともに歩んできたアルバロ・ガルシア副大統領も、「我々は人民の中から出てきた。人民の意見に従う」と、敗北を覚悟したかのような発言をしている。
モラレスは経済建設で前例のない成果を挙げたが、国民投票直前の今月初め、愛人のいる企業に公共事業を発注した疑惑を暴露されたのが響いた。またエル・アルト市で政権党MAS要員らが市庁舎に乱入し放火、6人が死亡する事件が起きたのも影響した。
南米ではアルゼンチンでの右翼政権発足、ベネズエラ国会での保守・右翼連合の多数支配など右傾化の流れが顕著になっている。モラエス敗北が確定すれば、南米左翼の潮流に対する右傾化の逆流が本流になる可能性が出てくる。
2016年2月20日土曜日
ボリビアで21日モラレス大統領続投の是非問う国民投票実施
ボリビアで2月21日、エボ・モラレス現大統領の2019年実施の次期大統領選挙出馬の是非を問う国民投票が実施される。大統領連続2選までを認めている現行憲法の第168条を改正し、連続3選を可能にするか否かを問う。有権者は560万人。
19年選挙にエボが出馬し当選すれば、2020年1月までのエボの任期は25年まで5年間延長される。エボは2006年1月就任し、既に10年余り政権にある。2025年までなら、連続19年の長期政権となる。
ボリビア経済は、天然ガス、原油、鉱物など好調な輸出の増大で年平均4・9%成長。エボは、国庫収入を教育、医療、住宅建設など社会投資に投入、人口の7割方を占める先住民らの支持を固めてきた。
政府統計によると、2006~15年に貧困率は53%から29%に減り、260万人が中産層に上昇した。一日当たり1ドル以下で暮らす極貧層は38%から17%に減った。
だが国際経済の冷え込みで一次産品価格が低下した昨年、国庫収入は32%も減った。これにより、経済を政治の推進力にしてきたエボの勢いが鈍った。
エボの多選に激しく反対してきた野党勢力は、好況時にエボが経済多角化のため投資しなかった、と批判している。
そこへもってきて今月初め、エボが大統領の影響力を用いて、愛人が重役を務めている中国系企業に、公共事業7件(総額40億ボリーバル=5億6000万ドル)を入札なしで発注した疑惑、およびエボとその愛人との間に男児が生まれていたことが暴露された。ラ米人は愛人問題には概して寛容だが、地位を利用しての事業発注には批判的だ。支持率は急速に下がった。
追い打ちをかけるように17日、ラパスに隣接するエル・アルト市で暴徒の群れが市庁舎に乱入し、書類を燃やし、放火した。この火災で職員6人が窒息死し、20人が負傷した。
同市では、エボの政権党MAS(社会主義運動)幹部70人を巻き込んだ巨額の公金横領事件が起きていた。この事件の関係書類は、今回の事件で大方燃やされ、破壊された。事件も投票行動に影響を及ぼすと見られている。エボは、いつになく苦戦を強いられている。
国民投票結果は、48時間以内(日本時間24日午前)に判明する見込み。南米諸国連合(ウナスール)の投票監視団20人、国際監視員1000人が各地の投票所に展開している。
ウナスールのエルネスト・サンペール事務局長は19日、エボと共にコチャバンバ市を訪れ、同地に建設中の南米議会議事堂の建設状況を視察した。80%は完成している。
一方、ボリビア国営石油会社・国庫油床(YPFB)と組むスペインのレプソール石油は19日、ボリビア南部のタリーハ州内カイピペンディ天然ガス田の3カ所で、新しいガス埋蔵地を発見したと発表した。これによりボリビアのガス確定埋蔵量は40%増えた。
またエボと、ロシアのガスプローム社のアレクセイ・ミレル社長は18日タリーハ市で、ガス田共同開発など同社とYPFBの協力強化など3協定に調印した。
19年選挙にエボが出馬し当選すれば、2020年1月までのエボの任期は25年まで5年間延長される。エボは2006年1月就任し、既に10年余り政権にある。2025年までなら、連続19年の長期政権となる。
ボリビア経済は、天然ガス、原油、鉱物など好調な輸出の増大で年平均4・9%成長。エボは、国庫収入を教育、医療、住宅建設など社会投資に投入、人口の7割方を占める先住民らの支持を固めてきた。
政府統計によると、2006~15年に貧困率は53%から29%に減り、260万人が中産層に上昇した。一日当たり1ドル以下で暮らす極貧層は38%から17%に減った。
だが国際経済の冷え込みで一次産品価格が低下した昨年、国庫収入は32%も減った。これにより、経済を政治の推進力にしてきたエボの勢いが鈍った。
エボの多選に激しく反対してきた野党勢力は、好況時にエボが経済多角化のため投資しなかった、と批判している。
そこへもってきて今月初め、エボが大統領の影響力を用いて、愛人が重役を務めている中国系企業に、公共事業7件(総額40億ボリーバル=5億6000万ドル)を入札なしで発注した疑惑、およびエボとその愛人との間に男児が生まれていたことが暴露された。ラ米人は愛人問題には概して寛容だが、地位を利用しての事業発注には批判的だ。支持率は急速に下がった。
追い打ちをかけるように17日、ラパスに隣接するエル・アルト市で暴徒の群れが市庁舎に乱入し、書類を燃やし、放火した。この火災で職員6人が窒息死し、20人が負傷した。
同市では、エボの政権党MAS(社会主義運動)幹部70人を巻き込んだ巨額の公金横領事件が起きていた。この事件の関係書類は、今回の事件で大方燃やされ、破壊された。事件も投票行動に影響を及ぼすと見られている。エボは、いつになく苦戦を強いられている。
国民投票結果は、48時間以内(日本時間24日午前)に判明する見込み。南米諸国連合(ウナスール)の投票監視団20人、国際監視員1000人が各地の投票所に展開している。
ウナスールのエルネスト・サンペール事務局長は19日、エボと共にコチャバンバ市を訪れ、同地に建設中の南米議会議事堂の建設状況を視察した。80%は完成している。
一方、ボリビア国営石油会社・国庫油床(YPFB)と組むスペインのレプソール石油は19日、ボリビア南部のタリーハ州内カイピペンディ天然ガス田の3カ所で、新しいガス埋蔵地を発見したと発表した。これによりボリビアのガス確定埋蔵量は40%増えた。
またエボと、ロシアのガスプローム社のアレクセイ・ミレル社長は18日タリーハ市で、ガス田共同開発など同社とYPFBの協力強化など3協定に調印した。
2016年2月15日月曜日
モラレス・ボリビア大統領が国民投票敗北を覚悟か
2019年の大統領選挙に出馬し連続4選を目指すボリビアのエボ・モラレス大統領が、そのための改憲の是非を問う国民投票で敗北する可能性が出ている。国民投票は2月21日実施されるが、一週間前の14日公表された各種世論調査では、4選賛成と反対が40%同士で拮抗しているのが一件、他は反対38%、賛成34%など、反対が上回った。
これを受けてモラレス大統領は14日、「反対が勝てば、それも権利行使の結果だ。そうなればMAS(政権党・社会主義運動)は別の候補を立てることになる」と述べ、敗北がありうることを覚悟していることを示唆した。
大統領の苦戦は、モラレス多選に反対するあるジャーナリストがこのほど、モラレスが影響力を行使して、愛人が重役を務める中国系のCAMC社に政府発注の仕事を与えた、という見方を明らかにしたこと。
併せて、モラレスと、その愛人ガブリエーラ・サパタ弁護士(28)の間に男児一人が生まれていたことも暴露した。
大統領府は、モラレスが2005~07年、サパタと愛人関係にあった事実と男児がいたことを認めたが、「男児が死んだのを契機に別れた」と発表した。
ところが、2015年のオルーロ市のカルナバルを見物するモラレスにサパタが寄り添っている写真が新たに暴露された。世論調査では、「モラレスは真実を話していない」、「愛人に便宜を図った」と見る回答が圧倒的に多くなった。
大統領は、この醜聞暴露の背後には米政府(CIA)がいると非難したが後の祭、支持率は急速に落ちてしまった。モラレスは独身だが、二人の女性との間に長女と長男が一人ずついる。
モラレスが21日に敗れれば、昨年末の亜国での右翼政権登場と、ベネスエラ国会議員選挙での保守・右翼野党連合圧勝に続き、南米での左翼退潮を印象付けることになる。
これを受けてモラレス大統領は14日、「反対が勝てば、それも権利行使の結果だ。そうなればMAS(政権党・社会主義運動)は別の候補を立てることになる」と述べ、敗北がありうることを覚悟していることを示唆した。
大統領の苦戦は、モラレス多選に反対するあるジャーナリストがこのほど、モラレスが影響力を行使して、愛人が重役を務める中国系のCAMC社に政府発注の仕事を与えた、という見方を明らかにしたこと。
併せて、モラレスと、その愛人ガブリエーラ・サパタ弁護士(28)の間に男児一人が生まれていたことも暴露した。
大統領府は、モラレスが2005~07年、サパタと愛人関係にあった事実と男児がいたことを認めたが、「男児が死んだのを契機に別れた」と発表した。
ところが、2015年のオルーロ市のカルナバルを見物するモラレスにサパタが寄り添っている写真が新たに暴露された。世論調査では、「モラレスは真実を話していない」、「愛人に便宜を図った」と見る回答が圧倒的に多くなった。
大統領は、この醜聞暴露の背後には米政府(CIA)がいると非難したが後の祭、支持率は急速に落ちてしまった。モラレスは独身だが、二人の女性との間に長女と長男が一人ずついる。
モラレスが21日に敗れれば、昨年末の亜国での右翼政権登場と、ベネスエラ国会議員選挙での保守・右翼野党連合圧勝に続き、南米での左翼退潮を印象付けることになる。
2016年2月1日月曜日
36年前のボリビア社会党首マルセロ・キロガ殺害犯を逮捕
ボリビア社会主義の著名な指導者マルセロ・キロガ=サンタクルースを殺害した首犯の元陸軍下士官フェリーペ・モリーナが1月31日、ラパス市内で逮捕された。エボ・モラレス大統領が同日記者会見し、この逮捕について発表した。
キロガは49歳だった1980年7月17日起きたルイス・ガルシア=メサらによる軍事クーデターのさなか、ボリビア労働中央連盟(COB)本j部に居たところ、モリーナらのコマンドに襲撃され、陸軍司令部に連行された。そこで拷問された後、殺害され、遺体を隠された。モラレス大統領は、モリーナはキロガの遺体を埋めた場所を知っているはずであり、白状してほしいと述べた。
警察はモリーナの娘を尾行、隠れ家を突き止めた。警官80人が2時間かけて探し、屋根裏部屋の壁を偽装し造られていた隠れ場所からモリーナを見つけ出した。最高裁は2010年、逃亡中のモリーナに禁錮30年(短縮無し)の実刑判決を下している。
元軍政首班ルイス・ガルシア=メサも1995年から禁錮30年で服役中。
文学青年だったキロガは1957年、社会派小説「立ち退かされた人々」を著し、後にJLボルヘスやGガルシア=マルケスから「20世紀ラ米小説の中で最良の作品の一つ」と評価された。
ジャーナリストでもあり、新聞を創刊した。60年代末のバリエントス軍政期に下院議員、その後のオバンド軍政下の69年、鉱山・石油相を務め、米ガルフ石油を国有化した。
軍政を離れ71年社会党を結成。クーデターによるバンセル軍政登場でチレに亡命する。次いで亡命した亜国の国立ブエノスアイレス大学とメヒコの国立自治大学(UNAM)で教鞭を執った。72年に論文「くたばれ独裁」、73年に同「ボリビア略奪」を書いた。
77年秘密裏に帰国、78年社会党を「UNO社会党」(PS-1)と改名。79年下院議員となって、バンセル軍政の人道犯罪を追及した。軍部ににらまれ、80年の新たなクーデター時に殺害された。
キロガは、現代ボリビアの最も優れた知識人の一人とされていた。モラレス大統領は、2月21日実施の、憲法大統領再選条項改定のための国民投票の運動中だったが、記者会見を開いてモリーナ逮捕を発表した。
キロガは49歳だった1980年7月17日起きたルイス・ガルシア=メサらによる軍事クーデターのさなか、ボリビア労働中央連盟(COB)本j部に居たところ、モリーナらのコマンドに襲撃され、陸軍司令部に連行された。そこで拷問された後、殺害され、遺体を隠された。モラレス大統領は、モリーナはキロガの遺体を埋めた場所を知っているはずであり、白状してほしいと述べた。
警察はモリーナの娘を尾行、隠れ家を突き止めた。警官80人が2時間かけて探し、屋根裏部屋の壁を偽装し造られていた隠れ場所からモリーナを見つけ出した。最高裁は2010年、逃亡中のモリーナに禁錮30年(短縮無し)の実刑判決を下している。
元軍政首班ルイス・ガルシア=メサも1995年から禁錮30年で服役中。
文学青年だったキロガは1957年、社会派小説「立ち退かされた人々」を著し、後にJLボルヘスやGガルシア=マルケスから「20世紀ラ米小説の中で最良の作品の一つ」と評価された。
ジャーナリストでもあり、新聞を創刊した。60年代末のバリエントス軍政期に下院議員、その後のオバンド軍政下の69年、鉱山・石油相を務め、米ガルフ石油を国有化した。
軍政を離れ71年社会党を結成。クーデターによるバンセル軍政登場でチレに亡命する。次いで亡命した亜国の国立ブエノスアイレス大学とメヒコの国立自治大学(UNAM)で教鞭を執った。72年に論文「くたばれ独裁」、73年に同「ボリビア略奪」を書いた。
77年秘密裏に帰国、78年社会党を「UNO社会党」(PS-1)と改名。79年下院議員となって、バンセル軍政の人道犯罪を追及した。軍部ににらまれ、80年の新たなクーデター時に殺害された。
キロガは、現代ボリビアの最も優れた知識人の一人とされていた。モラレス大統領は、2月21日実施の、憲法大統領再選条項改定のための国民投票の運動中だったが、記者会見を開いてモリーナ逮捕を発表した。
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