2015年10月14日水曜日

チリ大統領が新憲法制定手順を発表

 チレのミチェル・バチェレー大統領は10月13日、現行憲法はピノチェー軍事独裁下で制定されたもので現代と民主にそぐわないばかりか、少数者が押しつけたもので正統性がないと前置きし、懸案の新憲法制定手順を発表した。

 第1段階は「新憲法計画」で、近日中に発足する作業機関が同計画を策定し、来年3月まで市民に情宣教育する。次いで、居住地域(市、共同体など)、地方、州の各段階順に新憲法に盛り込む条項を話し合い、その結果は2016年10月、大統領に提出される。

 この過程を、「市民オブザーバー理事会」(CCO)が監視する。大統領に提出された市民提案は、新憲法起草の基になる。
 
 16年末から国会で改憲法案を審議し、上下両院はそれぞれ議席の5分の3の多数をもって可決できる。可決されれば、第2段階の新憲法起草作業に入る。

 新憲法草案は、①国会両院合同委員会②両院・市民合同制憲会議③制憲議会④以上の3通りから国民投票で選択された一つ-のいずれかが起草する。

 草案は国会で17年から審議される。同年の国会議員選挙の結果発足する新国会が新憲法草案を可決すれば、国民投票で承認の是非を問うことになる。

 バチェレー大統領の任期は17年3月で切れるため、新憲法は次期政権下で制定されることになる。