ジョン・ケリー米国務長官は10月4日、チレの首都サンティアゴ入りし、国営TVによる会見で、「クーバの民主化実現より先に、米国による対玖経済封鎖が解除される」との見通しを示した。
長官は、「個人的には経済封鎖解除に賛成だ。解除がクーバ人民を助けることに繋がるからだ」と述べた。また、「クーバ民主化には時間がかかるが、進展しつつある」と指摘した。
オバーマ米政権は、対玖国交再開の最大の狙いが「平和裡の社会主義体制転換」にあることを明確にしてきた。クーバは、それと知りながらも、社会主義体制延命と強化のため、対米復交に踏み切った。
ケリーは、ベネスエラについても発言、「民主主義に問題がある」と批判した。
これを受けて同国のデルシー・ロドリゲス外相は5日、ケリー発言をはねつけ、「米国には大統領を選挙民が直接選ぶ制度がない。他国の民主制度を批判するなど道徳的見地からおこがましい」と述べた。
ケリー長官は、太平洋岸のビニャデルマル市で5日開会した第2回「われらの海洋」会議出席のためチレを訪れた。長官は同日、ミチェル・バチェレー智大統領と会談し、1976年9月ワシントンで爆殺されたオルランド・レテリエル元チレ外相の事件に関する約1000種類の極秘解除文書のメモリーを渡した。
同メモリーは次いで、元外書の息子フアン=パブロ・レテリエル上院議員に渡された。内容は8日、智米両国で同時公開される。ピノチェー軍政期の国家情報局(DINA)の犯行として知られている。