2015年10月2日金曜日

ペルー次期大統領候補ケイコ・フジモリが父親と距離置く

 ペルーの次期大統領最有力候補ケイコ・フジモリ(人民勢力党首)は9月30日、ハーヴァード大学ラ米研究所で講演、質疑応答で、父アルベルト・フジモリ元大統領政権期の人道犯罪を調査した「真実・和解委員会」(CVR)の活動について「国にとって有益だった」と初めて評価した。

 CVRは、フジモリ政権による1992年4月5日のお手盛りクーデターで法治国家が崩壊したと捉え、諜報機関や軍・警察を動員しての暗殺など国家テロリズムを糾弾した。

 従来、CVRに批判的だったケイコが態度を一変させたのは来年4月の大統領選挙と、これに続く上位2候補による決選投票を突破するための選挙戦略と受け止められているが、ペルー国内では物議を醸している。

 ケイコは前回2011年の選挙では決選に進出しながら、父親との繋がりを攻撃され落選した。このため今回、早い機会に父親から身を切り離しておくのが得策と判断したものと見られている。

 ケイコはまた、強制不妊手術反対、臨床的堕胎手術賛成、同性愛者結婚容認などを表明、大統領再選制度については民主制度を弱めてきたと指摘した。これは連続3選の父親だけでなく、既に2期務め来年の選挙で3期目を狙うアラン・ガルシア前大統領、同じく2期目を目指すアレハンドロ・トレード元大統領を批判したものだ。[連続再選制度はフジモリ政権崩壊後に廃棄され、その後、連続でない再選が認められている。]

 ケイコ同性愛結婚容認発言を受けて10月1日、フリオ・ロサス議員は人民勢力を離党した。