ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は10月15日、労働者代表と会合し、ことしのインフレは80%に達する見込みと述べ、最低賃金を11月1日から30%引き上げて1万6339b(ボリーバレス)にすると発表した。
大統領はまた、国家公務員給与を30日以内に引き上げ調整するが、その引き上げは年率にして137%に上る、と明らかにした。
財界は、今年のインフレが180%に及ぶと見ており、大統領の80%に疑念を示している。去年のインフレは68・5%だった。
ベネスエラは12月6日の国会議員選挙に向けて、選挙の季節が深まっている。政府の賃上げ策は恒例とはいえ選挙対策の柱であるのは間違いない。
ベネスエラ統一社会党(PSUV)を中心とする政権党選挙連合「大愛国軸」(GPP)加盟32党は15日、国家選挙理事会(CNE)で、国会議員選挙を公明正大な選挙とするための合意書に署名した。
合意書には、「民主・安寧・憲法尊重」、「選挙結果への異議表明は暴力でなく法廷で」などが明記されている。野党連合MUDをはじめとする野党勢力は署名式に現れなかった。
一方、15日帰国したマヌエル・スアレス元スリア州知事は、アルバから到着したマラカイボ空港で逮捕された。身柄をカラカスに送られ、国家情報局(SEBIN)本部に連行された。グスタボ・ゴンサレス内相は、スアレス容疑者は腐敗、不正蓄財、公金横領など11件で取り調べられる、と明らかにした。
スアレスは「新時代」(UNT)党首で、かつて故ウーゴ・チャベス大統領に対抗し大統領選挙に出馬したことがある。09年逮捕状が出たため国外に逃れた。以来6年ぶりの帰国で、逮捕されるのを覚悟していた。
国連は15日、ベネスエラとガイアナが領有権をめぐって歴史的に対立しているエセキーボ地方の問題で、両国が話し合い解決の道を進んでいると評価した。バン・ギムン事務総長の特使がこのほど両国を訪れ、首脳らから意見聴取した。