ブラジル選挙最高裁判所は10月20日、ブラジルは12月6日のベネスエラ国会議員選挙に監視団を派遣しない、と発表した。
南米全12カ国が加盟する南米諸国連合(ウナスール)の選挙監視団の団長に、ブラジル最高裁元長官ネルソン・ジョビンを指名したところ、ベネスエラ政府が反対した、というのが理由。事実上の派遣拒否だ。
ウナスールのエルネスト・サンペール事務局長(元コロンビア大統領)は最近訪伯し、アルヘンティーナ元外相ホルヘ・タイアーナを団長にしてはどうかと提案したが、これもブラジル側の心証を悪くした。
ニコラース・マドゥーロVEN大統領にとりブラジルは極めて重要な盟友国であり、選挙監視団問題でブラジルを怒らせたのは外交上の大きな痛手となる。
マドゥーロは、米政府が望む米州諸国機構(OEA)の監視団派遣を拒否してきたが、頼みのウナスール監視団からブラジルが抜けたのでは監視団の存在感が薄れ、結果的にベネスエラ政府の選挙制度が批判を受けることになりかねない。
一方、ベネスエラ政府は20日国会に、歳出を1兆5485億ボリーバルとする2016年度予算法案を提出した。歳入を支える原油の国際価格を1b=40ドルで計算して組んだ歳出額だ。今年度は1b=60ドルで歳出を組み、中途で歳出削減を余儀なくされた。