2015年10月13日火曜日

チリ先住民族マプーチェが土地回復求め抗議行進

 クリストーバル・コロン(コロンブス)がカリブ海に到着した523周年記念日の10月12日、チレの首都サンティアゴで、先住民族マプーチェ1万5000人が抗議行進し、植民地状態打破を訴えた。

 マプーチェは人口1700万人のチレに70万人いる少数民族だが、スペイン人入植前はチレ中南部を統治していた。国境線で分断された隣国アルヘンティーナにも住む。

 この日、行進は大統領政庁前まで進んだ。マプーチェの指導者たちは、奪われた土地の回復、民族自決権確立、マプーチェが多く住むラ・アラウカニーア地方の軍事化終焉を訴えた。

 指導者らは、政府は今も土地を奪い続け、大森林業者に味方し、マプーチェの正当な闘争を弾圧し断罪している、と非難した。また、地域の軍事化はピノチェー軍事独裁期の政策であり、それがまだ続いている、と糾弾した。

 この抗議行進の目的については、民族の政治囚と死者たちのために闘い続ける意志と、その闘争が存在し継続されていることをチレと国際社会に示すため、と述べた。マプーチェ政治囚は少なくとも16人いるとされる。

 この日、ラ米各地で行事が催されたが、最も保守的な行事はドミニカ共和国首都サントドミンゴのコロン廟で催された「米州発見とイスパニダー(スペイン性)の日」の式典。

 だが「人種の日」(混血が始まった日)と捉えるものや、「民族出会いの日」とするものが少なくない。ハバナ放送は「米州先住民7000万人の虐殺が始まった日」と報じた。このように「侵略開始の日」と解釈するものも拡がりつつある。