2013年10月23日水曜日

キューバが通貨一本化行程表実施へ


 キューバ閣僚評議会は、通貨ペソ(CUP)と兌換ペソ(CUC)を一本化(二重通貨制度廃止)するための行程表を実施に移すことで合意した。共産党機関紙グランマが10月22日発表した。

 二重通貨制度は、ソ連消滅後の1993年の外貨自由化に伴い94年正式に導入され、現在1CUC=1米ドル=25CUP。米ドルなど外貨収入のある者には都合がいいが、外貨収入のない貧しい人々には二重通貨制度が生む二重価格制度は厳しい。平均月収が500CUP(20ドル)にすぎないからだ。

 通貨統一は「通貨ペソの貨幣価値を復活させるのが主眼」とされ、まず法的整備、電能機器のデータ整備をする準備期間を置く。次いで法人から先に実施するという。

 二重通貨制度は貧富格差を招き、90年代から問題化してきた。ラウール・カストロ政権は2011年4月の第6回党大会で正式に一本化方針を決めた。ラウール議長は今年7月の国会演説でも一本化の必要性を強調していた。

 一本化には、生産強化による輸出拡大でCUPを強くすることが不可欠だ。政治的なCUC切り下げなどで差を縮めるとすれば、実勢を反映しなくなり、かえって問題が深刻化することになる。