2013年10月1日火曜日

細田晴子著『カザルスと国際政治』を読む


 「鳥の歌」を聴いた。カザルスが、スペイン内戦が甦ってきた。1992年7月、バルセローナ五輪の開会式の場は、厳かな静寂に包まれた。

 パウ(パブロ)・カザルス(1876~1973)は60歳になる年に内戦を迎えた。それが人生を変えた。南仏に亡命し、次いで移住したプエルト・リーコで晩年を送ったが、終生、スペインのフランコ独裁と、音楽を通じて闘い続けた。だがフランコより2年早く死んでしまったのだ。

 日独伊の枢軸国は第2次大戦で敗れたが、戦後、民主制が敷かれた。だがスペインには独裁が残った。この不条理をカザルスは嘆き、フランコを認めた国では演奏しないという誓いを立てた。日本に一度来たが、演奏しなかった。

 細田晴子著『カザルスと国際政治』(吉田書店)を読んだ。そして書評を書いた。ここでは、これ以上、本書には触れない。