2014年7月28日月曜日

オランダ領アルバが元ベネズエラ軍諜報機関長官を釈放

 オランダ領アルバ自治政府は7月27日、ベネスエラ軍諜報局(DIM)の長官だったウーゴ・カルバハル退役少将を釈放した。カルバハルは、ベネスエラ副外相ケリスト・オルテガに付き添われて同日カラカスに帰還した。

 アルバは米政府の要請に基づき、カルバハルがアルバ入りした23日、身柄を拘束した。米政府は、カルバハルは2004~11年にDIM長官だった期間にコロンビア麻薬組織、コロンビア革命軍(FARC)と連携し麻薬密輸などに関与したとして、アルバに逮捕と身柄引き渡しを求めていた。

 ベネスエラのエリーアス・ハウーア外相は、カルバハル逮捕直後にオランダ政府に対し、外交官特権を主張、オランダがこれを認めたため、カルバハルは釈放された。オランダはカルバハルを「好ましからざる人物」として国外退去処分にした。

 カルバハルは今年1月、アルバ駐在領事に任命され、アルバ政府からの同意を待っていた。同意のないままアルバに入ったところを逮捕された。

 カルバハルは、故ウーゴ・チャベス大統領が陸軍中佐だった1992年に打ったクーデター事件に参加し、チャベスの信頼が厚かった。カルバハル釈放は、ベネスエラ外交の勝利として受け止められている。