ブラジル軍政が1960~70年代に実行した拷問のむごたらしさ、凄まじさがあらためて脚光を浴びている。米政府は6月、国家安全保障関係の機密文書を解禁し、うち43文書を、ジョー・バイデン副大統領がブラジル政府に手渡した。その内容が7月6日、ヂウマ・ルセフ政権の「真実委員会」によって公表された。
ニクソン政権が、ブラジル軍政に対し寛大だったことを窺わせる。同政権は伯軍政を表だって批判せず、事実上、軍政のやり方を追認していた。
秘密警察は、ゲリラ活動に参加していなかった左翼学生らを拳銃を突きつけて拉致し、痕跡が残らない方法で拷問し、一定期間後、釈放した。
ゲリラ容疑者には肉体的拷問を容赦なく加え、死に至らしめたり、法律外処刑を実行した。遺体は、「戦闘死」に見せかけて放置した。
伯軍政の拷問に関するCIAや米国防省諜報局の機密文書の多くは公開されていない。