元ベネスエラ陸軍少佐ジョエル・アコスタら故ウーゴ・チャベス大統領のかつての盟友らが7月2日、ニコラース・マドゥーロ大統領に辞任を要求した。ベネスエラ政府と政権党ベネスエラ統一社会党(PSUV)内の亀裂と混迷は深まる一方だ。
アコスタは、大統領は指導力を発揮できなくなっており、政府を構成している国軍と<政治マフィア>が衝突する前に大統領は退陣すべきだ、とメディアを通じて訴えた。アコスタは、1992年2月に陸軍中佐だったチャベスが打ち失敗したクーデターに参加した。
マドゥーロ大統領は、死者43人を出した2月以降の一連の反政府街頭テロ事件を受けて経済再建が不可避と見て、6月17日、チャベス政権初期から長らく経済政策の中枢に居たホルヘ・ジョルダーニ企画相を更迭した。
ジョルダーニはすぐさま、マドゥーロの無能ぶりを指摘し、腐敗や公金流出と関連付けて非難した。これを契機に政府と政権党の亀裂が表面化した。軍部内にも既に亀裂が生じており、大統領は3月下旬、空軍将軍3人を「陰謀容疑」で逮捕した。
PSUVは今月26~28日、党大会を開き、政経全般について討議し、新たな政策を策定するが、これを前に一気に不満や対立が噴き出した感がある。
大統領に次ぐ実力者であるディオスダード・カベージョ国会議長は2日、仲間割れしている時ではないと、団結を訴えた。