2016年4月16日土曜日

ラ米で「最も魅力的なコロニアル風10都市」の1位はクスコ

 スペインのエル・パイース紙系列の旅行雑誌「エル・ビアヘーロ」(旅人)は4月15日、ラ米に数多い植民地時代の街並みを残す「コロニアル風」都市の中で「最も魅力的な上位10都市」を発表した。

 1位は、ペルー高地にあクスコ。インカ帝国の首都で、旅行者にとってはマチュイチュ遺跡への玄関口だ。2位は、メヒコのサンミゲル・デ・アジェンデ。小じんまりした街。半世紀前から内外のヒッピー、芸術家らが住みついてきた。近くには、ドローレス・デ・イダルゴ、グアナフアトなど同様に魅力的な街がある。

 3位は、コロンビアカリブ海岸のカルタヘーナ・デ・インディアス。城壁に囲まれた旧市街と丘上の巨大な砦が歴史を偲ばせる。4位は、グアテマラの旧首都アンティグア。昔の大地震で壊滅したが、その時、街を埋めた土石流の源の火山が郊外に聳え立つ。この街には、西語を学ぶ日本人の若者が多く暮らす。

 5位は、エクアドールの首都キト。標高3600~3800mの高地にある。郊外には赤道の走る「ミター・デル・ムンド」(世界の半分=中央線)に巨大な碑が建つ。ここには南米諸国連合(ウナスール)の本部がある。6位は、ボリビアの銀山の街ポトシー。造幣局の跡がある。ここの銀貨がスペインや欧州の文明構築に大いに貢献した。

 7位は、ブラジルのオウロ・プレト(黒い金)。ブラジル発達史上の「金産出期」の中心地だった。この街には、世界中から迫害されている人々を招き、居場所を提供するという運動が息づいている。8位は、ニカラグアのグラナーダ。この街にも、その昔、地震で破壊された跡が残されている。

 9位は、クーバカリブ海岸のトゥリニダー。奴隷貿易の中心地の一つだった。砂糖生産場の跡がある。10位は、ウルグアイのコロニア・デ・サクラメント。このほど初来日した前大統領ホセ・ムヒーカが好きな街だ。

 ポルトガル人が築いたブラジルのオウロ・プレトを除いては、すべてスペイン人が造った街。つまり先住民や黒奴隷が酷使された名残である。

 植民地にされ解放されたラ米側が選べば、「コロビアル風10都市」は、これとは異なるものになるはずだ。