2016年4月2日土曜日

ペルー大統領選挙まで10日、ケイコ・フジモリが1位維持

 ペルー国家選挙審議会(JNE)は4月1日、ケイコ・フジモリ大統領候補の出馬資格剥奪を求める反フジモリ派の訴えを証拠不十分として却下した。JNEは既に3月、同様の訴えを却下、その再審理要求を今回却下し、判断は確定した。

 JNEは、支持率調査で上位2~5位以内にいた有力候補2人の出馬資格を剥奪しており、ケイコ候補の選挙運動継続も危ぶまれていた。

 今月10日の大統領選挙第1回投票を監視する米州諸国機構(OEA)は1日、JNEによって資格を奪われた2候補が復権しない限り、ペルーの大統領選挙は「半民主主義状態」で実施されることになる、と憂慮を表明した。

 選挙まで10日と迫った3月31日公表された最新の支持率調査では、ケイコ・フジモリ(人民勢力)が36%で1位。「変化のためのペルー」候補ペドロ=パブロ・クチンスキ(PPK)が16%で2位。3位ベロニカ・メンドサ(拡大戦線)15%、4位アルフレド・バルネチェア(人民行動党)9%、5位アラン。ガルシア(人民同盟)3%。

 過半数得票者は出そうもなく、上位2候補が6月5日実施の決選に進出する。ケイコの1位進出は堅いと見られている。2位はPPK、メンドサ、バルネチェアのいずれかとなる公算が大きい。決選予想では概ねケイコ有利となっている。

 だがケイコの父アルベルト・フジモリ元大統領期(1990~2000)のお手盛りクーデターによる民主中断、秘密警察と治安部隊による人道犯罪、麻薬汚染、腐敗、メディア買収などを依然攻撃する反フジモリ派は、反ケイコ派となって健在だ。ケイコにとっては、決選に向け、反ケイコ派を懐柔しつつ3位以下の票を引き付けられるか否かが勝敗の鍵となる。

 選挙では大統領の他、副大統領2人、国会議員130人、アンデス議会議員15人が選ばれる。有権者は2300万人。

▼ラ米短信  ドミニカ共和国(RD、ラ・ドミニカーナ)の首都サントドミンゴで4月1日、第10回CELAC(ラ米・カリブ諸国共同体)外相会議が開かれた。

 会議は、米州およびラ米の他の地域統合組織との連携、移民、極貧、食糧供給、気候変動、麻薬取締などを討議した。会議の議題と討議内容は、来年1月RDで開かれる第5回CELAC首脳会議に提示される。