2016年8月25日木曜日

イランがニカラグア運河建設事業への投資に関心示す

 イランのムハマド・ザリフ外相は8月23日、ニカラグアのサムエル・サントス外相とマナグアで会談、建設工事中の「ニカラグア大運河」への投資にイランが関心を抱いていることを伝えた。

 この運河工事は香港拠点の中国系企業が2014年12月22日開始したが、資金不足に陥っていると伝えられる。ザリフ外相はクーバ訪問後ニカラグアを訪れたもので、24日にはエクアドールを訪問する。

 コスタ・リカ(CR)のルイス・ソリース大統領は22日ワシントンでバラク・オバーマ米大統領と会談。輸送機、船舶、埠頭、格納庫など、巨額の警備上の援助を得た。

 大統領は、国境、沿岸、領空の警備と、組織犯罪に対処するためであり、ニカラグアを念頭に置いての「軍備強化」ではない、と強調した。ニカラグアはソ連援助により戦車など軍備を増強中。これに対する中米諸国の懸念が高まっていた。

 ソリース大統領はジョー・バイデン米副大統領とも会談、クーバ人経済難民の出国を促している「クーバ調整法」を改廃するよう要請した。米領土に入れば自動的に居住権が得られる同法に引き付けられてCRにクーバ難民8000人が押し掛け、大騒動になった昨今の苦い経験がある。

 クーバで和平交渉中のコロンビア政府とゲリラFARC(コロンビア革命軍)は23日、和平最終合意に達し、24日正式に発表する。交渉筋が23日明らかにした。

 クーバ統計庁によると、今年上半期、外国人観光客214万人が来訪、前年同期比11・7%増し。数が多いのは、加英独西墨伊亜仏の順。クーバのホテルには計6万3000室があり、その7割は4~5星級。民宿も繁盛している。

★ラ米短信  ボリビア・コチャバンバのコカ葉栽培労連「熱帯農民労働者特別連盟」は8月21日、エボ・モラレス大統領を次期大統領候補に指名した。

 モラレスは今年2月、大統領連続再選制限条項を廃止する改憲の是非を問う国民投票で、51・3%の反対で敗れた。現在の大統領支持率は52%で、大統領は国民投票のやり直しを企図している。

▼ラ米短信  ベネスエラのマルガリータ島で9月13~18日、非同盟諸国首脳会議が開かれ、同国のニコラース・マドゥーロ大統領が議長に就任する。任期は3年。

 南部共同市場(メルコスール)の輪番制議長国にベネスエラが7月から就任するのを、パラグアイ、アルゼンチン、ブラジルの右翼・保守3国が阻んでいる。同3国と前議長国ウルグアイはモンテビデオで8月23日、事務方会合を開いて協議したが、3国のベネスエラ拒否姿勢は変わらなかった。

 ベネスエラは24日モンテビデオで新たな事務方会合を提案したが、これにはウルグアイしか応じていない。

 マドゥーロVEN大統領は23日、「3国の中心パラグアイはストロエスネル独裁の流れを汲む政権下にある」とカルテス政権を酷評。同政権はカラカス駐在大使を召還した。

 デルシー・ロドリゲスVEN外相は23日、イラン、カタール、サウディアラビア、オマーン4カ国歴訪を報告。「これら産油諸国でのベネスエラの受けはとてもよかった」と述べた。

 一方、カラカス首都圏ボリーバル区のホルヘ・ロドリゲス区長(政権党PSUV広報官)は22日、マドゥーロ大統領罷免国民投票実施賛成の署名をした国家・地方公務員は48時間以内に馘首される、と述べた。