2017年8月9日水曜日

 ペルーのリマで米州諸国が外相会議開催▼採択の「リマ宣言」はベネズエラ制憲議会(ANC)を認めず▼カラカスではALBA外相会議がANC開設を祝福▼VENと中国が2030年までの投資計画を協議

 ペルー政府は8月8日リマで、親米・反べネスエラ諸国を集めて米州有志国外相会議を開いた。トランプ米政権と、その代弁者であるルイス・アルマグロOEA(米州諸国機構)事務総長の意向を受けて開くに至ったが、米国寄りの印象を和らげるため事前に調整し、米国務長官は招かれなかった。

 外相会議は7時間近く話し合った末、「リマ宣言」を採択した。①ベネスエラで4日開設された制憲議会(ANC)を認めない②OEAによる「米州民主憲章」のベネスエラへの適用努力を継続③ベネスエラへの武器禁輸を国際社会に呼び掛ける、など16項目が盛り込まれている。

 リカルド・ルナ秘外相は当初、亜パラグアイ伯智秘コロンビア巴CRホンジュラス墨グアテマラ加の12カ国が宣言に署名、と発表した。だが、その後、ウルグアイおよび、カリブ英連邦諸国のジャマイカ、ガイアナ、セントルシ-ア、グレナダの5カ国が加わり、計17カ国に達したと明らかにした。OEA加盟国は、キューバを除く34カ国であり、半数がリマ宣言に署名したことになる。

 署名した国々は、今秋の国連総会の折にニューヨークで第2回会合を開くことを決めた。

 これに対し、ベネスエラは8日カラカスでALBA(米州ボリバリアーナ同盟)外相会議を開いら。その共同声明は、①ANC開設を祝福②VENへの経済制裁・内政干渉を糾弾③反政府勢力による暴力への国際的糾弾を要求、などを表明した。

 べネスエラ、クーバ、ボリビア、エクアドール、ニカラグア、SV&G、A&B、SC&N、セントルシーア、グレナダの外相や代理が出席した。だがセントルシーアとグレナダは、「リマ宣言」に署名したとされており、情報が錯綜している。

 ニコラース・マドゥーロ大統領は会議後、「我々を非難する諸国(リマ宣言署名諸国)と話し合う用意がある」と述べた。さらに、CELAC(ラ米・カリブ諸国共同体)の輪番制議長国エル・サルバドールで、LAC(ラ米・カリブ)の分裂回避と統合のための首脳会議を開いてはどうか、と提案した。

 亜国の元サッカー選手ディエゴ・マラドーナ8日、「マドゥーロ大統領から命じられればベネスエラ軍の制服をまとって、自由ベネスエラのために米帝国と戦う。私は死ぬまでチャビスタ(チャベス派)だ」と表明した。これに対し、元亜国サッカー選手で保守派のマリオ・ケンペスが異議を唱えた。

 カラかスでは8日、ベネスエラ政府と中国企業代表団が、2030年までの中国による投資計画について話し合った。