ベネスエラのホルヘ・アレアサ外相は8月19日、マドゥーロ政権と反政府勢力との対話を実現するため国際会議を開くべく、関係諸国に呼びかけた。
ベネスエラの制憲議会(ANC)は18日、反政府勢力の中核である保守・右翼野党連合MUDが支配する国会の立法機能を剥奪、ANCに移した。
これに対し、米州の親米・反ベネスエラ12カ国(亜伯パラグアイ智秘コロンビア巴CRホンジュラス・グアテマラ墨加)は19日、ANCの国会権限奪取を厳しく糾弾した。
同12カ国は、自分たちを「リマグループ」(グルーポ・デ・リマ)と呼んでいる。先にリマ市で外相会議を開き、ANC開設を認めず糾弾したのに因む。今回、再度リマで外相会義を開いた。
米国はベネスエラと敵対している関係で、「リマグループ」には参加していない。同グループの「中立性」を装うためだ。米国と同グループは、米州諸国機構(OEA)の「米州民主憲章」をベネスエラに適用し、それを根拠として同国に介入する戦略を維持している。
一方、ANCに検事総長を解任されたルイサ・オルテガは18日未明、パラグアナ半島から快速艇で脱出し、カリブ海沖の蘭領アルバに到着。そこから空路、コロンビアの首都ボゴタに着いた。政治亡命と受け止められている。
マドゥーロ政権は3月末、国会機能を最高裁憲法法廷に移したが、これに真っ先に異論を唱えたのが、当時のオルテガ検事総長だった。大統領は身内から厳しく批判され、決定を取り下げざるを得なくなった。
MUDは、この大統領の朝令暮改の大失態を受けて反政府行動を一挙に激化させた。それに起因する街頭暴力事件および、その関連で125人が死亡、1500~2000人が負傷した。
政権は、窮地を打開するため8月4日、「万能のANC」を開設した。そのためのANC議員選挙を7月末実施したが、MUDは「違憲」として認めていない。
カラカス中心街の国会議事堂内にMUDの国会と政権のANCが共存する異常事態となったが、ANCは計画通り国会機能を奪取した。