キューバのミゲル・ディアスカネル国家評議会議長(20日で58歳)は4月19日、人民権力全国会議(ANPP)での就任演説で、ラウール・カストロ前議長(6月で87歳)ら革命戦争を戦った「歴史的世代」の長老たちに敬意と感謝を表明。「過ちと規律不足を正し、革命を継続、社会主義革命を守り完全なものにする」と強調した。
さらに「必要な改革は、キューバ主権に基づいて決定される」とのべ、米国など外部からの譲歩要求の干渉をはね付ける意志を表明した。
また「われわれはキューバだ。つまり抵抗・歓喜・創造・連帯・人生だ」と謳い上げた。そして「フィデルが次世代の役割を果たしたように、我々は自分たちの世代の役割を担う」と語った。
最後は「祖国か死か。社会主義か死か。勝利するぞ!」とこぶしを固めた右手を振り上げて感動気味に叫び、フィデルの革命用語を使って演説を締めくくった。30分の演説だった。
次いで、ラウール前議長が退任演説を1時間半に亘り、冗談をちりばめながら上機嫌でぶった。「規定通り2021年4月まで共産党(PCC)第1書記に留まるが、中途で私が死んだらディアスカネル議長が後を継ぐ。議長と第1書記が同一人物になるのが望ましい」と述べた。この発言には権力闘争を避ける狙いがある。
また「彼(新議長)は即席の指導者ではない。偶然でも急ぎの決定の産物でもない。イデオロギー、政治感覚、革命への関与と忠誠の結果だ」と強調、新議長体制を支援してゆくと述べた。
だが、「私がしたように、2期(10年)務めたら後任に地位を譲らねばならい」と釘を刺すのを忘れなかった。
さらにANPP内に委員会を設置し、改憲案を起草、7月に提示すると約束した。長年の課題である二重通貨制度解消問題については、「通貨の一本化は依然頭痛の種だ」と述べ、難題であることを想起させた。
外交ではトランプ米政権を「新覇権主義」と指摘、先週リマでの米州首脳会議でブルーノ・ロドリゲス玖外相がマイク・ペンス米副大統領によるキューバとベネズエラへの内政干渉発言に対し堂々と反駁したのを讃えた。
ラウールは「次はメイデー行進の場で会おう」と言い演説を終え、新議長に見送られて議場を後にした。
堂々と