2011年12月10日土曜日

次期キューバ議長は英語の使い手

☆★☆キューバのラウール・カストロ国家評議会議長(80)が、「そう遠くない将来に現れる次の議長は英語を話す」という趣旨の発言をしていたことが9日わかった。

     ラウールはTTでの第4回カリコム・キューバ首脳会議の場で語ったとされ、「私の年齢では無理だが、次の議長は英語を話さなければならない」とも述べたという。

     これらの発言は、次期議長が若い世代から選ばれる可能性を示唆している。

     対米・対カリブ関係をはじめ、国際社会でキューバの立場を訴えていくためには、最高指導者が英語を流暢に話すことが不可欠だ、との認識もうかがえる。

     ラウールは2008年2月、兄フィデルから議長の座を正式に引き継いだ。任期は、2013年までの5年だが、全うすればラウールは82歳になる。フィデルは80歳直前の06年7月、重病で倒れ、政権を事実上ラウールに任せていた。ラウールは既に5年余り実権を行使してきた。

     共産党や政府の重要な職位は、同一人物は1期5年、2期まで、とされている。ラウールは2018年まで議長を務めることができるが、そうなれば87歳に達してしまう。

     2013年の議長交代が、にわかに有力になってきた。

     「英語を流暢に話す」のが条件となったため、古参革命家群はまとめて淘汰される。ある意味でラウールは、老人支配一掃のための便利な条件を編み出した、と言える。

(2011年12月10日 伊高浩昭執筆)