★☆★☆★ベネズエラの首都カラカスで12月2日、第3回ラ米・カリブ首脳会議(CALC=カルク)が開かれた。会議は3日、「カラカス宣言」を採択して、「ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC=セラッーク)」を創設する。新機構には、米国とカナダのアングロサクソン系北米両国は入れない。
ラ米・カリブ地域(LAC=ラック)とりわけラ米は独立200年期にあり、米国のLAC支配を宣言したモンロー宣言200周年(2023年)に向かう米国の<執念>と激しいせめぎ合いを続けている。その力学のなかから歴史的なCELACが生まれる。LACにとって、まさに画期的な出来事だ。
この歴史的首脳会議にはLAC33カ国の全首脳が出席するはずだったが、ペルー、コスタ・リカ、エル・サルバドールの3カ国大統領は欠席し、代理を派遣した。米政府の分断工作が部分的に成功したと捉えることができる。
開会演説をしたメキシコのフェリーペ・カルデロン大統領は、「CELACは新しい米州の種として生まれる。実りある永続的機関であれ」と述べた。
今会議議長を務めるベネズエラのウーゴ・チャベス大統領は、「立場の違いを受け入れ尊重しつつ統合するのが重要だ。願わくは、北方諸政府(米加)がLACで起きていることを少しは注視せんことを」と述べたそして、CELAC設立過程で貢献のあった故ネストル・キルチネル前アルゼンチン大統領、フィデル・カストロ前キューバ議長、ルイス・ルーラ前ブラジル大統領を讃えた。
第3回CELAC開催国に決まったキューバのラウール・カストロ議長は、「史上初めて<我らのアメリカ>の機構が生まれる」とホセ・マルティの思想を基に歴史的意義を強調した。また、グアンタナモ米海軍基地の存在をも念頭に置いて、「LAC域内から外国軍基地がいつの日か無くなることを」と訴えた。
ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は、「プエルト・リコがここにいない」と、米自治領(植民地)にされて113年経つプエルト・リコの不在を指摘した。
(2011年12月3日 伊高浩昭執筆)