2012年3月3日土曜日

カストロ兄弟がチャベスを見舞う

☆★☆キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長は3月2日、ハバナ市内の医療施設で2月27日、「癌性腫瘍」の除去手術を受けたベネズエラのウーゴ・チャベス大統領を見舞い、2時間会談した。そこにラウール・カストロ現議長が加わり、3人で会談を続けた。

★これはキューバ政府が明らかにしたもので、その時の写真も公表された。会談内容は明らかにされていない。

☆ブラジルのジルマ・ルセフ大統領はチャベスに電話をかけ、「早期回復の様子に喜んでいる」旨を伝えた、という。

★チャベスは今回のキューバ行きに際し、エリーアス・ハウア副大統領に大統領権限を代行させる手続きをとっておらず、ハバナで法令に署名している。

☆ある識者は、施政はベネズエラ国内でのみ可能であり、外国での施政行為は違憲の疑いがある、と指摘する。ハバナの「ベネズエラ大使館内で法令に署名するならば準国内行為として認められうる」との解釈があるが、同識者は「意味をなさない」と否定した。

★チャベスは07年、「ベネズエラとキューバは一つの政府だ」と語ったことがある。この識者は、「まさにそのような状態になっている」と述べた。

☆ベネズエラでは10月7日、次期大統領選挙が実施され、チェベスと野党統一候補エンリケ・カプリレス(ミランダ州知事)との一騎打ちになることが決まっている。

★この国では1958~98年の40年間、穏健な社民主義と保守改良主義の2大政党ないし2大勢力が政権を担っていた。だが98年にチャベスが政権に就いてからは、巨大政権党・ベネズエラ統一社会党(PSUV=ペエセウベ)と弱小野党群の連合体という<異形の2大政党制>が生まれつつある。

☆チャベスは3月1日には、カラカスの国営テレビVTVにトゥイッターで3度、メッセージを送り、「順調に回復しつつある」ことを伝えた。これといい、カストロ兄弟との会談および写真公表といい、「元気であることをことさら強調する意図からに違いない」と観る向きもある。

★「末期癌」説も飛び交うなか、チャベスがいつ帰国するのかに関心が集まっている。