2012年3月10日土曜日

フアーナが語った『カストロ家の真実』刊行される

★☆★フィデル(85)、ラウール(80)のカストロ兄弟の実妹フアーナ(78)は、1964年6月、カストロ体制に反逆して出国し、メキシコ市で体制糾弾宣言をし、祖国を捨てた。その後マイアミを拠点に、反カストロ体制の宣伝活動を展開する。実はフアーナは1961年にCIAの協力者になっていた。

☆そのフアーナ・カストロは2009年10月、自伝『私の両兄フィデル、ラウール 秘密の歴史』(マリーア=アントニエタ・コリンズ構成)を出版した。キューバ革命前夜の時代から、革命体制建設過程の60年代にかけての裏面史を綴る、極めて興味深い内容が詰まっている。

★その日本語版『カストロ家の真実』(2012年3月10日、中央公論新社)が刊行された。訳者は、私である。

☆半世紀も前のキューバ情勢の裏側を語るこの本の<標的>であるフィデルとラウールはいまも健在で、連日のようにキューバ内外のジャーナリズムを賑わわせている。訳しながら、あらためて不思議な感じがした。

★キューバ革命の秘話や、カストロ兄弟だけでなくチェ・ゲバラ、カミーロ・シエンフエゴス、ウベール・マトスら革命戦争の主人公らの人間が細かく描かれている。拙訳ながら、ご一読をお勧めしたい。