羽田澄子監督(87)の映画「そしてAKIKOは。。。~あるダンサーの肖像~」(2012)を東京・新橋での試写会で観た。モダンダンスの踊り手アキコ・カンダ(神田正子、1935~2011)の舞踊家、芸術家としての半生と、晩年の死闘と死に様を描いた作品だ。同監督作品「AKIKO-あるダンサーの肖像」(1985)の<復刻版的続編>である。
6月1日から東京・神田神保町の岩波ホールで公開される。120分のドキュメンタリーだ。特に踊りの映像が美しい。多くの人々に観てもらいたい優れた作品だ。
最後の舞台で、末期がんに唇まで侵され痩せ細った姿で踊る様は鬼気迫る。9月23日という命日は、パブロ・ネルーダと同じだ。
アキコは20代初め、大学を中退して渡米、ニューヨークのマーサ・グラハムに師事した。早々と頭角を現し5年後に帰国する。活躍しつつも、「マーサと違うもの、自分らしさ、独自性をいかに出すか」で苦闘した。ドキュメンタリーならではの述懐場面も味わい深い。