2013年4月1日月曜日

チュニジアでの「世界社会フォーラム」終了


 アルテルムンディズモ(よりよい世界を築く運動)の中心組織「世界社会フォーラム(FSM)」の2013年度会合は3月26~30日、チュニジアの首都チュニスで5万人が参加して開かれた。地元チュニジアから、政変後の新時代を象徴するかのように、多くの若者が参加し、これが活気を与えた。

 議題の中心は、「第三世界」ないし発展途上諸国が今なお苦しんでいる対外累積債務問題だった。「第三世界債務廃止委員会(CADTM)」を率いるベルギー人専門家エリック・トゥサンが中心的な役割を担った。トゥサンはコレア・エクアドール政権の顧問として、同国に「不正債務返済拒否」を決断させた実績を持つ。

 最終宣言には、反資本主義・反新自由主義、人間的社会建設過程にあるマグレブ中東人民支持、同地域での過去2年間の変革過程の保守化非難、パレスティーナ・サハラウイ(西サハラ)・クルドゥスタン(クルド人領土)の自決・主権支持、イスラエル制裁運動促進、NATOとの闘い強化、核兵器廃絶、世界人民の連帯などが盛り込まれた。

 サハラウイの領土の多くを占領しているモロッコの当局関係者たちが会議に入り込み、サハラウイとの連帯決議を妨害しようとする一幕があった。この種の妨害工作は、2011年のFSMダカール会議でも見られた。

 トゥサンは、援助を通じて対外介入する米機関USAIDが会場にブースを出していたのを問題点として指摘した。

 会合は、3月5日死去したベネズエラのウーゴ・チャベス大統領を讃えた。FSMは、「世界経済フォーラム(WEF)」の対抗組織としてブラジルのポルト・アレーグレで設立され、ラ米諸国が大きく関与してきた。