2013年5月3日金曜日

キューバ反体制派ブロガーに「ミセス」誌がインタビュー


 女性向け月刊誌「ミセス」(文化出版局)の5月号で、キューバの著名な反体制派ブロゲーラ(ブロガー)ジョアニ・サンチェス(38)へのインタビュー記事を読んだ。先日、ある診療所の待合室で何気なく手にした雑誌がこれだった。掘り出し物だった。

 彼女の名前を知るのは、多くの日本人にとっては初めてのことだろう。つまり、これは貴重な記事である。それが「ミセス」に出たのが興味深い。

 記事のスペイン語の題名は「新時代の幕開けを待ちながら」、日本語では「夜明け前の国を生きる」。記事の焦点は、ジョアニの個人的側面とブロゲーラとしての闘争に当てられている。

 ジョアニが①キューバ革命のいいところと悪いところをどう捉えているのか、それとも革命を全面的に否定しているのか②将来どのようなキューバにしたいのか③その将来のキューバと米国の関係はどうあるべきか-などの質疑応答があれば、記事の価値は相当に増しただろう。

このインタビュー取材をした年月日も明記してほしかった。ジャーナリズムには不可欠な要素である。もちろん理由があって明記できない場合もあり、その場合は、そのことを示唆すればよい。記者の略歴も必要だった。

いずれにせよ、キューバにしばしば取材に行く日本や諸外国の大手メディアの記者たちの多くが敢えて会わないようにしている相手へのインタビューに挑戦したのは多とする。当局と付き合い続けなければならない通信員でなく、短期単発取材者ならではの仕事とも見受けられる。

「私たちの現実を語るには、伝統的なジャーナリズムではなく、ブログが最適だった」というジョアニの発言は、大手メディアへの批判とも受け取ることができるかもしれない。