毎年9~10月、渡り鳥のようにメキシコ市からやって来る彫銀師、竹田邦夫(65)が9月6日、東京・恵比寿の「ギャラリー・まある」での彫銀展を終えた。1年ぶりに再会し、1時間語り合った。彼はテキーラではなく、ブラジル産の砂糖黍製焼酎カシャーサをウーロン茶で割って飲んでいた。
ことし7月でメキシコ在住40年を記録した竹田は今では、メキシコで押しも押されもしない銀細工のマエストロだ。
彼のメキシコの血と、遠い日本の記憶が刻む小さな銀の造形群は、男女を超えて誰もが衣服に付けたくなる。誰もが首、胸、腕、指に飾りたくなる。
竹田は、これから名古屋市で個展を開く。故郷が瀬戸市だから、地元である。これが終わると再度東京で個展(展示即売会)をする。中野区上高田3-15-2(電話5343-1842)の「土日画廊」で、10月18~20日の3日間だ。
最寄り駅は、西武新宿線の新井薬師前駅である。その後はまた愛知県に戻って長手久で個展を開き、終わればメキシコに帰る。
日本人の延長線上にあってメキシコ人として生きるマエストロ竹田の作品をぜひとも味わってほしい。