ベネズエラとパラグアイは10月9日アスンシオンで外相同士が会談し、関係正常化に向けて前進した。
会談後の記者会見で、エラディオ・ロアイサPAR外相は、「ベネズエラ外相の来訪は、関係早期正常化を求める両国意思の表れだ」、「エネルギー、食糧分野での相互補完的通商関係の再開のため、近くPAR財界使節団がベネズエラを訪問する」と述べた。
エリーアス・ハウーアVEN外相は、「直ちに大使を相互に任命すべく提案した」、「両国がメルコスールに加盟している状態が南米にとって望ましい」と語った。
パラグアイは去年6月「国会クーデター」で当時のフェルナンド・ルーゴ大統領を追放した。これに当時のニコラース・マドゥーロVEN外相(現大統領)がアスンシオンで異議を唱えるなどしたため、パラグアイ暫定政権は内政干渉として、国交凍結に踏み切った。
メルコスールは、パラグアイを「民主制度が中断した」として加盟資格を停止させ、一方でベネズエラの加盟を認めた。保守・右翼が多数を占めるパラグアイ国会は、当時のチャベスVEN政権を嫌い、VEN加盟を認めるメルコスール条約改正条項の批准をせず、現在も批准していない。
だがベネズエラは現在、メルコスールの輪番制議長国であり、パラグアイも無視できなくなっている。また、メルコスール復帰が遅れれば、PAR経済への打撃が膨らむ。
8月15日オラシオ・カルテスPAR大統領が就任し、同月末スリナムでマドゥーロ大統領と会談し、双方は関係正常化で大筋合意した。
ハウーア外相は9日VENメディアに対し、今外相会談との関連で両大統領が電話会談した、と明かにしている。