2015年12月17日木曜日

国際司法裁がサンフアン河口紛争でコスタ・リカ勝訴の裁定

 国際司法裁判所は12月16日、ニカラグア(ニカ)とコスタ・リカ(CR)の国境河川サンフアン川河口のCR領ロス・ポルティージョス島北西部(ニカ名ハーバーヘッド=港頭)の2・5km2の土地をCR領と認めた。オルテガ・ニカ政権は裁定に従うと表明した。

 カリブ海に注ぐサンフアン川河口にはロス・ポルティージョス潟湖があり、「港頭」は潟湖に突き出している。ニカ政府は2010年、同地に軍隊を派遣し、「港頭」をロス・ポルティージョス島から切り離す形で「浚渫」を進めていた。

 「浚渫」路が新しいサンフアン川河口になれば、その左岸(西側)はニカ領となるとの計算からだった。19世紀の条約で同河口左岸がニカ領、右岸がCR領と規定されているからだ。

 2010年当時のチンチージャCR政権は国際司法裁に提訴、今回の裁定となった。司法裁は、ニカ政府に対し、「浚渫」工事がCR領に及ぼした自然破壊などに関し賠償金の支払いも命じた。オルテガ政権は、ソリースCR政権と話し合うと表明している。

 ニカラグアは数年前に同司法裁の裁定でコロンビアから広大な領海・経済水域を獲得しており、今回、素直に裁定に従った。

 因みに、「浚渫」工事の責任者は、ニカラグア革命の英雄の一人、エデン・パストーラ(コマンダンテ・セロ)だった。