ベネスエラ国家選挙理事会(CNE)のティビサイ・ルセーナ議長は5月23日、制憲議会(ANC)議員選挙を7月下旬に、州知事・州会議員選挙を12月10日に、それぞれ実施すると発表した。24日にCNEは会合、両選挙の具体的日程を決める。州選挙は昨年末までに実施されるはずだったが、政治的混乱で延期されてきた。
ニコラース・マドゥーロ大統領は23日、ANC開設担当官エリーアス・ハウア教育相から報告書を受け取り、カラカス市内を行進した支持派大群衆と記者団を前に、ANC議員選挙実施に関する政令に署名した。
大統領は、「我々は参加型政権であって、代表制ではない」と強調。「経団連とMUD(保守・右翼野党連合)はANC開設対話を拒否した。MUDの回答は暴力だった。彼らは国中の街を燃やし、不寛容精神を焚きつけ、武装決起を呼びかけ、外国の介入を招こうとしてきた」と非難、「我々は平和、対話、和解、敬意を重んじる」と述べた。
ハウア報告によれば、ANC議員は540人。うち「地域選挙区」は、全国364市・特別区から選出、先住民には8人が割り当てられる。「職能別選挙区」は有権者8万3000人ごとに1区で、労働者、農民、漁民、身体障害者、年金生活者、学生、企業経営者、コムーナ(コミューン)およびコムーナ理事会がそれぞれ比例代表名簿をCNEに提出、得票により議席が割り当てられる。
地域選挙区出馬者は、選挙民の3%の推薦を必要とする。18歳以上のベネスエラ人が立候補できる。選挙結果判明後72時間で、ANCが開設される。
ところがCNE監査官ルイス・ロンドンは23日、改憲要求には国民投票が必要であり、それがなく、政令内容も事前に有権者に諮られなかったとして、反対を表明。また最高裁民事法廷のマリセーラ・ゴドイ判事も、国民投票の必要性を指摘、ANC開設選挙手続きに異議を唱えた。
一方、MUDが指揮する暴動は各地で続いている。22日に騒乱状態となったバリーナス州では、スレ市の警察署が暴徒に放火され破壊された。若者1人が死亡した。22日の州都バリーナス市の暴動で略奪された店舗は170軒と判明した。
同州のセナイダ・ガジャルド知事は23日記者会見し、ゴルペ(クーデター)防止作戦「サモーラ計画」の第2段階を発動した。治安部隊とともに、陸軍特殊部隊など軍の治安出動が許される。州知事は、MUD派のバリーナス市長が暴動を放置したと糾弾した。
内務省は、暴動を鎮圧しないMUD派知事のいるララ州に23日介入、陸軍少将を州警察長官代行に任命した。石油の街マラカイボ市にある私立大学URBEは23日、暴徒に放火され、一部が破壊された。
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