ベネスエラ政府による制憲議会(ANC)開設政策に対し、保守・右翼野党連合MUDは5月7日、同政策に正式に反対を表明、政府側によるANC開設に関する諮問会合への出席を拒否した。
ANC幹部の一人でミランダ州知事のエンリケ・カプリーレスは、現行憲法と(MUDが反対する)改定憲法の二つが併存することになり、ベネスエラ統治は立ち行かなくなる、と述べた。
MUDが、米国の対外政策関係のシンクタンクが書いたゴルペ(クーデター)の筋書き通りに動いていることが4月段階で明らかになっている。D・トランプ米大統領は秘亜両国大統領と既に会談し、米国の立場を説明している。
ゴルペ計画内容は、H・キシンジャーが絡んだ1973年9月のチレ軍事クーデターの筋書きと酷似している。これを察知したミチェル・バチェレー智政権はエラルド・ムニョス外相をワシントンに派遣。同外相はレックス・ティラーソン米国務長官との会談後、「交渉による問題解決を支持する」と記者団に敢えて強調した。
MUDの拒否を受けて、ANC担当大統領委員会のエリーアス・ハウア委員長(教育相)は7日、「野党勢力が民主政治から離脱し、暴力と外国による介入の道を選んだため、ニコラース・マドゥーロ大統領はANC開設を提案した」と指摘。「野党勢力がローマ法王の助言にさえ従わず、ANC提案を受け入れないということなら、我々はANCを開設する」と強調した。
さらに、「(ANC議員約500人の)選挙区はCNE(国家選挙理事会=中央選管)が決める。職能・分野別選挙区と地域選挙区がほぼ半々になる」とし、「一連の諮問会合が済んだら、大統領は告示し、投票日を決める」と語った。
演奏家や歌手など音楽家組織は7日、カラカスのチャカオ区で、演奏しながら行進した。殺し屋に4日撃たれ重体だった学生が7日死亡、非公式集計で一連の反政府行動関係の死者数は38人に達した。
MUDは8日には、ハウアANC担当委員長のいる教育省にデモをかけることにしている。MUDは「恒常的内乱状況」を醸し、米国をはじめとする外部勢力の介入を誘導する戦略であり、破壊活動や殺傷事件をしばしば招いてきた街頭での挑発行動を止める気配はない。MUDは、活動資金が潤沢なことを示唆している。