キューバの首都ハバナ郊外で5月18日、旅客機が墜落した。110人が死亡、生存者は3人。
国営航空(クバーナ・デ・アビアシオン)運営のボーイング737-200型機(乗客・乗員113人)オルギン市行き国内便はホセ・マルティ国際空港を離陸して間もない12時08分、サンティアゴデラスベガス手前の農地に墜落、炎上した。
ハバナ空港では、ヤシの木などが茂る彼方の森の方面で黒煙が舞い上がる光景が撮影されている。離陸を見送ったばかりの整備員らが頭を抱える様子も映っている。
玖運輸省発表によれば、生存者は女性3人で、病院に搬送されたが、いすれも重体。死亡した110人のうちキューバ人は99人。乗客5人が外国人で、亜国2、サハラウイ2、メヒコ1。乗員6人はメキシコ人。
機はメキシコのダモー(DAMOJH)航空から貸与されていた。メキシコ民間航空局の安全管理下にあった。
目的地は、ハバナ東南東670kmのオルギン州都オルギン市だった。同市一帯は観光地として人気が上昇中。市郊外には、カストロ一族の生家跡がある。
ミゲル・ディアスカネル国家評議会議長は現場に急行、死者への哀悼の意を表明。事故原因を徹底調査すると述べた。観光は、キューバにとって外貨を稼ぐ重要産業。旅客機の墜落事故は痛手だ。
▼マクリ亜国政権がキューバとの関係強化へ
マクリ政権は5月18日、マルコス・ペニャ首席閣僚とフルビオ・ポンぺオ政府戦略問題担当官を24日ハバナに派遣し、ミゲル・ディアスカネル玖政権と話し合うと発表した。
亜玖関係は、クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル前大統領の8年間と、その前の故ネストル・キルチネル大統領(クリスティーナの夫)の4年間には緊密だった。
2015年末に発足した財界右翼主体のマクリ政権は親米路線に舵を切ったが、経済が悪化。ペソが暴落し、国際通貨基金(IMF)IMFに支援を求めている。
政権発足後最大の危機に直面したマウリシオ・マクリ大統領は、来年の大統領選挙を念頭に国内世論も意識。トランプ米政権から「新冷戦」攻勢をかけられているキューバへの「接近姿勢」を示そうとしているわけだ。
ブエノスアイレスでは20~21日、G20外相会合が開かれる。