2012年1月3日火曜日

イラン大統領のラ米訪問が物議醸す

▽▼▽▼▽イランのマハムード・アフマディネジャド大統領が1月10日ニカラグア、14日グアテマラの両国大統領の就任式に出席する。同大統領は、併せてベネズエラ、キューバ、エクアドールなどを訪問する計画と伝えられる。

     グアテマラでは2日、次期政権の外相に内定しているハロルド・カバジェロス氏がイラン大統領の出席を発表した。次期大統領オットー・ペレス=モリーナ退役将軍は、1996年12月に終結した内戦を米政府の支援を受けて戦った国軍高官出身の右翼。その就任式に、米国と対決しつつあるイランの最高指導者が出席するという<ちぐはぐさ>も関心を呼んでいる。

     有力紙「プレンサ・リブレ」は2日、「この招待は新政権の最初の重大な過ちだ」と論評した。グアテマラは元日に国連安保理非常任理事国になったが、同紙は、「イラン大統領が来訪する狙いは明白だ。グアテマラが理事国になったからだろう」と分析した。

     さらに、「国際社会の懸念の中心に居る人物を招いて、どんな実益があるのか。国の印象はどうなるのか。(新)政権はとくと考えるべきだ」と警鐘を鳴らした。

     続けて、「国際社会と広範な関係を維持するという立場はわかるが、この場合は、一部友邦の反応を考慮すれば、正当化できない」と断言。米国への配慮を示した。

     また、「イランが軍事訓練をしないでいい状況であれば、今回の招待を受けることはなかったのではないか」とし、1~2両日のイラン海軍によるホルムズ海峡近海でのミサイル発射実験も踏まえて、指摘した。

     そのうえで、「非常任理事国として国際関係には慎重であらねばならない」と、注意を喚起した。

     今回のイラン大統領のラ米歴訪については、反カストロ派の在米キューバ人の政治家らが非難運動を展開している。

     一方、ニカラグアの大統領就任式は、政権党「サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)」のダニエル・オルテガ大統領の連続2期目の新任期入りの儀式であり、イラン大統領の来訪は「取り立てて騒ぐべきことではない」との立場が一般的だ。