2012年1月30日月曜日

キューバ共産党全国会議終わる

▼▽▼キューバ共産党(PCC)の第1回全国会議は1月29日、前日から2日間の日程を終えた。ハバナ市内の会議殿堂で開かれ、代議員811人が参加し、市場原理を取り入れた経済改革政策への党の関わり方、党と政府との役割分担の明確化、綱紀粛正などを討議した。

     具体的決定の一つは、昨年4月の第6回党大会で決議された党・政府・国家機関の役職の任期。「一人1期5年、連続2期まで」が追認され、今後実施されることになる。また、「党員資格を公職に就く条件から外していく」方針も決まった。

     また、中央委員(現在114人)を次回党大会(2016年予定)までに20%を若返らせることを決めた。政治局(現在14人)に対しては、党の構造と規約に必要な改革を行なうよう求めた。

     中央委員には、1953年7月26日のモンカダ兵営襲撃蜂起に参加した弁護士メルバ・エルナンデス、代表的な知識人アルマンド・ハルト、革命司令官ギジェルモ・ガルシアら、高齢の革命第一世代が名を連ねている。彼らも<勇退>の対象になる。

     過去には、革命の最高指導者フィデル・カストロ氏(前国家評議会議長、85)が半世紀にわたって最高指導者の地位にあったため、役職に期限を設けることができなかった。このため人事が停滞し、現在の最高指導部は平均80歳という高齢で、<ヘロントクラシア=老人政治>と批判されてきた。

     ラウール・カストロ第1書記(国家評議会議長、80)は、45分間の閉会演説で次のような諸点を強調した。

     「共産党一党体制で社会主義を継続し完成させていく。他党の合法化は、帝国主義政党の国内進出を許すことになる。一党体制は、帝国による侵略に対し、団結と主権を維持するための戦略的武器なのだ。複数政党制はデマゴギーと政治商業化の遊びであり、経済・金融の選良が政治権力を握り、人民大衆は排除される。それゆえに一党体制を守る」

     「だからこそ党員は模範にならねばならない。党と人民が広範な意見交換をし、職業的に優れた報道機関を備えて、キューバを一層民主的な社会にする」

     「腐敗は革命の大敵だ。貧者の貧者による貧者のための革命は、指導部が腐敗すれば崩壊する。腐敗党員は罰せられ、党から追放される。我々は腐敗との闘いに勝つ」

     「党は法的でなく道徳的力として、行政でなく政治管理の任務を遂行する。党は、マンドニズモ(横柄に威張ること)を捨てなければならない」

     「革命の成否は、革命体制50余年の過ちを正せるか否かにかかっている。革命を為した世代が自ら犯した過ちを修正する。我々はもはや若くはなく、この最後の機会を生かさねばならない」

     「米国の陰謀、それと連携する勢力およびメディアを糾弾する」

     「革命の基本的イデオロギーであるマルティ思想、マルクス・レーニン主義を守りつつ、新しい発想を採り入れる。祖国・革命・社会主義が一体化して機能するーこれが基盤だ」

     全国会議は、「インターナショナル」の合唱で幕を閉じた。