2012年1月25日水曜日

世界社会フォーラム(FSM)始まる

☆★☆ブラジル南リオグランデ州都ポルトアレーグレで1月24日、「世界社会フォーラム(FSM)」が開会した。29日まで続く。

    FSMは、スイス・ダボスでの「世界経済フォーラム(WEF)」の新自由主義路線に対抗して2001年に結成された。資本主義でない「もう一つのより良い世界」の創設を理想としている。

    今年は特に「主題を定めた社会フォーラム(FST)」がFSMの中心的会合となる。

    今年6月リオデジャネイロで、国連の「持続可能な開発会議リオ+20首脳会議」が開かれるが、FSMは、その対抗サミットとしてリオで同時期、「諸国人民サミット(クンブレ・デ・ロス・プエブロス)」を開く。FSTは、「リオ+20」と「人民サミット」を「主題」として議論し、「人民サミット」開催の準備をする。

    この日、開会に合わせて、ポルトアレーグレの中心街を若者ら1万5000人が、カーニバル式に行進した。「我々は怒れる99%だ」のスローガンが目立った。アマゾニーア(アマゾン川流域)のブラジル・パラ州で政府が建設しようとしている水力発電用のベロモンテ巨大ダムの建設に反対するスローガンも見られた。

    国連・食糧農業機関(FAO)のジョゼ・グラジアーノ事務局長がFSTの開会式で演説し、食糧安全保障のため協同企業や小規模営農者を支援することを約束した。同事務局長は、ルーラ前ブラジル政権で、食糧安全保障・飢餓撲滅特別相を務めた人物。

    26日には「市民社会と政府との対話」が開かれ、ブラジルのジルマ・ルセフ、ウルグアイのホセ・ムヒーカの両大統領が出席する。

    FSMに属する「自由報道フォーラム(FPL)」の第3回会議も27~29日開かれる。

    一方、25~29日開催のWEFには、ラ米からは、メキシコ、ペルー、パナマ、ハイチの4カ国大統領が出席意思を表明している。