▽▼▽▼▽ブラジルのジルマ・ルセフ大統領は1月30、31両日、キューバを公式訪問した。31日ハバナでラウール・カストロ国家評議会議長と会談し、経済協力協定に調印した。フィデル・カストロ前議長とも会談した。ルーラ前政権以来ブラジルは、対玖関係を「戦略的関係」と位置付けている。
ラウール、ルセフの両首脳は、ハバナ西方40kmのマリエル港に行き、港湾近代化工事の現場を視察した。総工費9億ドルのうちブラジルが6億4000万ドルを負担し、同国のオデブレヒト社が施工している。来年1月完成予定で、ハバナ港に入港できない大型船舶が接岸できるようになる。一帯には、商工業団地も建設される。
大統領は、今回の訪玖、キューバの人権問題、反体制派接見の可能性などについて記者団に訊かれ、次のように語った。
「キューバは経済封鎖されている。それとの闘いでブラジルが貢献できるのは、我々が広範な経済協力をすることだ。たとえば、ブラジル産食糧買い付け用の借款を供与すること。マリエル港近代化に参画しているのも、その一環だ」
「人権問題に触れれば、グアンタナモ基地における米国の問題や、ブラジル自身の問題にも触れざるをえなくなる。人権問題を政治やイデオロギーの闘争手段にしてはならない。政治問題が、意義ある訪問を傷つけてはならない。キューバの内政に干渉してはならない。人権問題を多国間で話し合うことには賛成する」
「今回のキューバ訪問とフィデルとの会談を誇りとする」
キューバが「反革命派」と呼ぶ反体制派に大統領が会うことはなかった。ルセフは31日、次の訪問国ハイチに向かった。