ベネズスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は5月6~9日、南部共同市場(メルコスール)加盟国であるウルグアイ、アルゼンチン、ブラジルを歴訪した。4月19日の大統領就任後、同月末のキューバ訪問に次ぐ2度目の外遊。
ウルグアイではホセ・ムヒーカ大統領と会談し、石油、保健、防衛、鉄道、科学技術、食糧生産で協力協定に調印した。ウルグイアは向こう1年間にベネズエラから原油1080万バレルを輸入する。
アルゼンチンではクリスティーナ・フェルナンデス=デ・キルチネル(CFK)大統領と会談し、ペロン派の人民団結運動(MUP)の歓迎・連帯大集会で演説した。
亜国石油公社「国庫油床」(YPF=イペエフェ)とベネズエラ石油公社(PDVSA=ペデベサ)は協力協定を結んだ。亜国産自動車1万台のベネズエラへの輸出も決まった。
ブラジルではジルマ・ルセフ大統領と会談し、食糧、エネルギー、石油、農業、社会開発、住宅建設で協力協定に調印した。防衛と国境安全保障についても話し合った。ブラジルがベネズエラに肥料原料の尿素を生産する工場を建設することも決まった。マドウーロは、ルイス・ルーラ前伯大統領とも会談した。
ベネズエラを含メルコスール加盟4国は、8月15日のパラグアイ新大統領オラシオ・カルテスの就任式に出席するもよう。昨年6月の「国会クーデター」で発足したフランコ暫定政権がメルコスール加盟資格停止処分を受けているパラグアイは、新政権発足時に資格復活が認められる方向にある。
マドゥーロ大統領は今回のブラジルを含む歴訪で、地元南米での支持を一層固め、大統領としての国際的立場を強化することができた、と受け止められている。