チリ司法省法医学局は5月2日、ノーベル文学賞詩人パブロ・ネルーダ(1904~73)の遺体から「前立腺癌が進行し転移していた」ことが確認された、と担当判事に報告した。判事は、これを遺族に伝えた。
法医学局は国際調査団を組み、4月8日、太平洋岸イズラ・ネグラの旧ネルーダ邸の庭の墓から詩人の遺体を発掘し、死因の調査を続けてきた。ネルーダの晩年の側近兼運転手が「ピノチェー軍政によって毒殺された疑いが濃厚」と証言したことから、遺体調査に踏み切った。
詩人が前立腺癌を患っていたのは周知の事実だが、「転移」が確認されたのは初めて。今後の調査は、死因が癌によるものか、毒物によるものかの判断が焦点となる。