バラク・オバーマ米大統領は5月2~4日、メキシコとコスタ・リーカを公式訪問した。メキシコのエンリケ・ペニャ=ニエト(EPN)大統領との会談で、経済協力のための「行動グループ」の設置、国境問題などを話し合った。
記者会見でEPNは、同「行動グループ」設置が決まった、と明らかにした。大統領はまた、両国国境地帯の安全と通過手続き簡素化を米側に要請した、と述べた。
オバーマは、米墨両国は経済競争力をさらに強化し世界の他の経済ブロックに対抗する、と語った。さらに、国境の安全確保で引き続き協力すると約束し、統合的な移民法改正を目指していると述べた。米国にはラ米人の移民や出稼ぎ労働者が多く、同法改正へのラ米側の関心は高い。
オバーマは3日、コスタ・リーカ(CR)の首都サンホセに到着、ラウラ・チンチージャ大統領と会談し、CRの将来のOECD加盟への支持を表明した。CRは、TPP加盟への関心も示した。
次いで米大統領は、同市での中米統合機構(SICA=シカ)首脳たちと会合した。中米域内の麻薬取締問題が中心議題で、オバーマは「取締が軍事化しないよう、米国は取締を支援する」と表明した。中米側には、世界最大の麻薬消費国・米国が国内消費取締に十分な努力を払っていない、との不満が強い。
この会議にはCR、パナマ、ニカラグア、オンドゥーラス、エル・サルバドール、グアテマラの6カ国大統領、ベリーズ首相、およびSICAオブザーバー国ラ・ドミニカーナ(ドミニカ共和国)の大統領が出席した。オバーマは4日、帰国した。