9月5日夜、東京のイスパニカ溜池山王教室で、「軍事クーデター40周年のチリ」と題して講演した。あの流血の政変は、私のラ米取材のなかで、印象深く重大な事件の上位10の上の方に位置づけられる大事件だった。
1970年のアジェンデ社会主義政権実現までの20世紀チリ人民戦線の歴史、アジェンデ政権実現前夜に始まったニクソン米政権と米資本によるアジェンデ打倒の陰謀、アジェンデ政権発足後の革新政策と妨害工作、クーデター、ピノチェー軍政の政策と人道犯罪、新自由主義経済政策、国民投票によるピノチェー敗北と民政移管、軍部と右翼に押しつけられた歪んだ憲法規定と選挙制度、それに基づく歪んだ2大勢力対峙制度、現在の問題点と11月17日の次期大統領選挙の展望、先住民族マプーチェへの差別・迫害問題、文化の空洞、などを90分話した。
ジャーナリスト、銀行員、商社員、チリ大使館員、元南米在住者ら、さまざまな経歴の人々が集まった。講演後は、イタリア料理とワインのひと時となった。