チリのセバスティアン・ピニェーラ大統領は、軍事クーデター40周年記念日の9月11日、首都サンティアゴのラ・モネーダ政庁で記者団を前に短く演説し、「我々の世代は同じ憎しみと国民分断状況を子孫に引き継いではならない」と、和解を訴えた。
大統領は、「民主主義破壊と人道犯罪は直接手を下した者の責任だが、制度上、阻止すべき立場にありながら怠った者にも責任がある」と指摘し、当時の最高裁判所や政治家を暗に批判した。
ピニェーラはまた、「和解には真実追究と正義追及が不可欠であり、それなしの和解は砂上の楼閣になってしまう」と、人道犯罪追及や賠償の必要を強調した。
また「大多数の同胞は和解が必要だと感じていると思う」と前置きし、民政移管後、前政権までの4代大統領に「過去40年と今後40年のどちらが重要なのか」と問いかけた。
これは大統領が9日政庁で催した公式の40周年記念式典を、4人の大統領がボイコットしたのを念頭に置いている。
首都をはじめ重要都市では、治安警備隊(カラビネロス)が厳戒態勢を敷いている。