2013年9月29日日曜日

ベネズエラ外相が国連で米国を厳しく非難

 ベネズエラのエリーアス・ハウーア外相は9月27日国連総会で演説し、「7年前にチャベス司令官が指摘した硫黄の臭いが、この演壇から消えていない」と前置きし、「米国は特別だ」と自任する米政府を厳しく批判した。

 外相は、「国連は、古い帝国主義に拉致されているため、世界の平和と尊厳はNYで人質となっている」とし、ニコラース・マドゥーロVEN大統領の総会不参加は、「米政府による、大統領と代表団に対する一連の遅延、障害、条件付け、安全保障欠如の結果だ」と指摘した。

 そのうえで、「米国は、国連本部設置合意に明白に違反している。国連本部が、国連をも加盟国主権をも尊重しない国にあるべきか否かを再考する必要がある」と強調した。

 ベネズエラは、「国連は、世界各地に持つ支部などで総会を開くべきだ」というボリビア大統領の提案を支持する、とも述べた。

 外相はさらに、「グアンタナモ収容所維持、無実の多くの市民を殺す無人機使用など米国による反人道行為を罰しようと国連に提案する者はいない」と非難。米政府による諸外国での大規模な通信傍受政策を念頭に、「全人類に私的自由の権利、傍受されない通信の権利を保障する組織新設を国連総長に提案する」と述べた。

 続けてシリア問題などを踏まえて、「国連は、憲章の賢明な理想を忘れ、軍事攻撃を決めたり許可したりする場に成り下がっている。安保理は好戦主義者の人質になっている」と指摘。「なぜ安保理はアルカイダなどテロ組織を支援するのか」と、シリア反政府勢力を支援する欧米諸国を糾弾した。